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一次創作、時々版権ネタ。
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有志企画「未来世紀との遭遇」のソロールをまとめました。
よその子との交流ロールはカットしています。

一部編集済み。


(1/13 事前ソロール1)
【ある開拓者の記録】
"大陸を調査中、川底に沈んでいた人間を発見。
回収し応急処置を行うも脈拍は微弱で体温も低い。
ともかく調査団の規律に従い半死体を医療班に引き渡したが、
数時間もしないうちに死亡報告を受けることになりそうだ。"

"医療班より半死体の蘇生手術が成功したとの報告が入る。
心臓部をはじめ機能低下が見られる箇所を補助装置により強化。
機能停止が見られた脳の大部分を機械化したとの事。
要は半機械、サイボーグに改造して命を繋いだということらしい。
……正直な感想をここに記す。誰がそこまでやれと言った。"

"半死体改め半機械の身元が判明した。
名前はグロリア。両親は不明。財団に属する船団で双子の妹と2人暮らし。
我々が彼女を発見した日から行方不明となっている。
また同時期に妹の射殺体が見つかり、彼女が所持するメモリチップが欠けている事も発覚した。
グロリアの水死未遂との関係は不明。"

"未だグロリアの意識は戻らず。
医療班いわく生体の脳をスキャンし記憶や知識をデータ化、
生前と変わらない人格形成を実現したという。
彼女が目を覚ませば詳細な事情も聞き出せるだろうか?
追記:噂をすれば何とやら、グロリアの意識が回復したとの報告。
容態を見て聴取を行う。"

"グロリアの話を元に報告書を作成、提出した。
彼女は星の愛教団の一員で、テロ計画を立てていたらしい。
しかし妹に咎められ彼女を射殺、襲撃計画を記録したメモリチップを持って逃亡。
追っ手から逃れるため川に飛び込んだ。
……恐らくこれらの情報は内密に処理され、公開されることはないだろう。"

"我々は、グロリアの不都合な情報を秘匿する代わりに協力を要請した。
周知の事実だが我が調査団は慢性的な人手不足に悩まされている。
半死体を回収、蘇生したのも戦力として利用するという打算があっての事。
言葉が通じるなら罪人でも構わない。
彼女にはよく考えて答えを出すよう告げたが、さて。"

"予想外にも、グロリアは協力要請を喜んで受けた。
我々に命を救われた事で目が覚めた。
これからは調査団の、ひいては財団の為に力を尽くすという。
術後経過も良好、近くリハビリを開始する手筈になっている。
医療班の見立てでは、1年もすれば実戦に耐えうるまでになるだろうとのことだ。"


(1/17 事前ソロール2)
昔の夢を見た。
妹があたしに銃を向ける。必死な顔をして何かを訴えかける。
あたしはあの子の銃を奪い、引き金に指を掛けて──
いつもそこで跳ね起きる。

ため息をついて、狭いベッドの上に起き直す。
古い思い出が嫌でもよみがえってくる。こんな夜はどうせ眠れない。

この船で初めて目を覚まして、あたしを拾った人に事情を聞かれた時。いくつか嘘をついた。
テロを企んだとのはあたし自身だとか、追っ手から逃げるために川へ飛び込んだとか。
教団を信じてたけどあなた達に救われて目が覚めた、とか。
でも本当は、奴らの教義なんて一度も信じたことない。

12の時、双子の妹と一緒に教団に売られた。
妹を守るためには奴らに従うより仕方なかった。
あたしは奴らの言う通りに働いた。
そうすれば、妹は教団の大人が守ってくれるって約束だったから。
大人になったら教団を抜けて、2人で真っ当に暮らそう。そう思ってた。

あの日の事は一度も忘れたことはない。
開拓者達の支援をしてた商船。
小さなものだったけど、教団から見たら邪魔だったんだろう。
妹は、船を爆破する計画を立てた。奴らの教義に従って。
あの子は、知らない間に教団の教えに染められてた。
今思えば当然の結果だ、でも気づいたときはもう遅かった。

あたしは当然止めようとした。
教団に逆らうことになっても、無関係の人達を見殺しには出来なかったから。
そしたら、妹は。
私達は惑星に根を下ろしてはいけない、どうして分かってくれないの。
そう言って、あたしに銃を向けた。
あの子はあたしより、大勢の命より、教団を選んだんだ。

──そして、妹は死んだ。あたしが撃ち殺した。
あの子の銃を奪うのは簡単だった。工作兵として訓練を積んできたから。
そのままあたしは妹の銃と、テロの計画書を持って逃げた。
妹がいなくなった以上、もう教団に残る理由もない。
でも、すぐ追っ手に見つかって捕まった。

奴らはあたしの手と足を縛って大陸へと運び出し、川に突き落とした。
裏切り者は川底に沈み、それですべて終わるはずだった。

……でも、あたしは今もこうして生きてる。
守るべき者を自分の手で捨てて、元テロリストの罪を被って生きてる。

寒気がして思わず身震いする。
明日も早い。そろそろ無理にでも寝ないとヤバい。
ベッドにもぐりこみ、シーツを頭まで被る。
……いつか罪を償って死ぬまで、嘘をつき通せるだろうか。
そんなことを思いながら、固く目を閉じた。


(1/25 事前ソロール3)
目が覚めて感じたのは、鼻につく薬の匂い。自分のベッドより高い天井。
自分を取り囲むように引かれた遮音効果付きのカーテン。
医務室のベッドだ、と気づいたと同時にカーテンが開く。
「グロリア、気が付いたのか。気分はどうだ?」

知らない青年が入ってきて、後ろ手にカーテンを閉める。
たちまち周りの音は聞こえなくなった。
「……あんた誰?」
「もう忘れたのか?今朝のミーティングで会ったばかりだろう」
鈍る頭を稼働させ、記憶を手繰り寄せる。
確か、開拓が本格化すれば一緒に組むことになるからと紹介されたんだっけ。

「ああうん、思い出した。ヴィート、だっけ。……で、あたし、なんで寝かされてんの?」
「それも覚えてないのか」
青年、もといヴィートが心配そうな顔になる。
「VRシュミレーション中に、急にパニックを起こして倒れたんだ。
俺は隣の部屋にいたから詳しくは知らないけど」

言われて、やっと思い出す。
身体と演算能力の確認を兼ねた仮想訓練。
温度も触感もない、子供だましの旧型機で訓練になるのと笑ってたけど。
湖のほとりに差し掛かったとき、急に昔のこと……
つまり溺れ死にかけた時の記憶が蘇ってきて。
頭が真っ白になって息が出来なくなったんだ。

「グロリア、大丈夫か?顔色が良くないが」
「平気。ちょっと、嫌なこと思い出しただけ」
深く、長く息を吐く。ちゃんと息ができることを確かめる。
大丈夫。ここは冷たくないし苦しくもない。
「仮想訓練でパニック起こすとか最悪……。嫌な記憶まで復元しなくていいのに」
うめくようにそう呟いた。


(2/5 サービスロールより)
班長のお使いで中央区まで来たあたし。
思いがけない人と出会えてテンション上がったまでは良かったけど。
何故か今、目の据わった研究員に囲まれている。

「貴様、恩会長に何をした」
「はぁ?なんのこと……」
「とぼけるな!」
目の前の研究員が凄む。

「星の愛教団に染まったお前如きに、会長が直々に声をお掛けになるなどあり得ない。
一体どんな汚い手を使った?人質でも取ったか?」
「はぁ。見てたの」
それで睨まれてるわけか。
嫌味の一つや二つや三つ四つ、言われるのは覚悟の上だったけど。
悪どい手を使ったと決めつけられるのは気分が悪い。

「見てたんならわかるでしょ。会長はあたしの意志を評価してくれたの。
だいたいやばい手段を取ったら記録に残るじゃん」
「意志?移民妨害や破壊工作を目論むぐらいだ、さぞや崇高な意志なのだろう。
それに記録などいくらでも改竄できる」
今度は薄ら笑いを浮かべる研究員。腹立つ。

「あのねー、記録を改竄したら会長が気づくに決まってるでしょ。
自分が目を向けられないからって、あたしに当たるのやめてくれない?」
途端に研究員の顔色が変わる。敵意を感知したと視界に表示される。
……適当に挑発したつもりだったが、どうやら痛いところをついてしまったらしい。

研究員が拳を固めて殴りかかる。
振り下ろされる腕を屈んで避け、取り囲む人達間をすり抜けて駆け出す。
「小汚い犯罪者め、逃げる気か!」
後ろでわめくのが聞こえたけど、追ってくる気配はない。
そのまま中央区を走り抜けて、誰もいなくなったところでやっと足を止めた。

「あーあ、せっかく会長にお会いできて気分よかったのに。
変なのに絡まれたせいで差し引き0って感じ」
ま、犯罪者ってのは否定できないけど。
調査船に帰ったら良いことだけ自慢してやろう。そんなことを思いながら
定期便の船着場を探した。


(2/6 診断結果より)
「グロリア!?何があったんだ!」
「見ての通りよ。まさか刺客がベースキャンプに乗り込んでくるとはね」
緊急の信号を受けて戻ってきた電脳使いに、無事な方の手を振って答える。
草原の上に飛び散った血の跡と、転がる暗殺者。何が起きたかは一目見ればわかるだろう。

「肩は切られるわ服は汚れるわで散々だったけど、何とか一人で片付いたわ。
悪いんだけど、こいつ運ぶの手伝ってくれない?」
お願い、と片手で拝むあたしをヴィートはじっと見て。
「これは俺が片付けとくから先に手当してこい」
ため息交じりに言って、死体をどこかへ引きずっていった。

キャンプの中心に位置する宇宙船
(母艦は上空で待機していて、地上にあるのは小さい輸送船だ)。
その一室で簡単な手当を済ませたころ、ヴィートが戻ってきた。
「ひとまず死体は船の倉庫に入れておいた。それから生体データの採取も。
後で母艦に持って行って、データ照合してもらう」

「ありがと。でも暗殺者の情報なんて検索してもヒットしないんじゃない?」
「俺もそう思う。けど念のために、な」
船で待ってる技術班なら何か分かるかもしれない、と言って彼は向かいの席に座った。
「それで、命を狙われる心当たりは?」
「ありすぎてわかんない」
「……簡単に言い切ったな」

「だって脱走者を始末したい星の愛教団でしょ、教団に不幸にされた人達でしょ。
それに不穏分子を排除したい財団の過激派とか、
財団の力を削ぎたい他組織の差し金とか。あと……」
「まだあるのか」
指折り数えていたけれど、ふと動きが止まった。
──妹の仇討ち、という可能性もあるだろうか。

妹が教団員と知らなくて、あたしが妹を殺したことを知ってる人間に狙われた──とか。
(……いや、ないな。ないわ。妹殺しの話は調査団の人間しか知らないし、
秘匿情報に指定されてるから外に漏れることもないはず)
そう思い直して、折りかけた指をまっすぐ戻す。

「それぐらいかな。
他にも、あたしの知らないところで恨みを買ってるかもしれないけど。
ま、今回も何とかなったんだから大丈夫でしょ」
「お前なぁ……、一人で出かけるときは気をつけろよ」


(2/7 診断結果より)
川の左右から降り注ぐ石の雨。小さく頼りない船が揺れる。
落ちないよう船の真ん中で身を伏せて、上空にいる電脳使いを呼ぶ。
「ヴィート、ヴィート!助けて!死んじゃう!!」
『無茶言うな。この偵察機じゃ着水できないし、不用意に近づいたら機体が傷つく』

「ひどい!人の命と機体とどっちが大事、ひゃあああ!!」
水飛沫が船の真ん中まで飛んでくる。次揺れたら今度こそ落ちる!
テンパるあたしと裏腹に、ヴィートの声は非情なほど冷静で。
『落ち着け。船の揺れは予測の範囲内、小石も船に影響を及ぼすほどじゃない。
そう簡単に沈んだりしないよ』

「嘘だー!こんな揺れるのにー!怖いぃー!」
『だったら今ある危険を排除しろ。お前、護衛担当だろうが』
そう言われて、涙目で崖を見上げ銃を構える。
手の震えを検知して、より強く腕に補正がかかる。
そのまま狙いを付けず数発。奴らを追い払うには十分だろう。
っていうか、まともに狙う余裕がない。

『リーダー。こいつの水嫌い、何とかした方がいいっすよ。
これのどこが「VRで特訓したから大丈夫」なんですか』
「だから川下りなんて嫌だって反対したのにぃー!」
ヴィートの声と、あたしの悲鳴が重なる。マジで泣きたい。


(2/8 診断結果より)
四方を石の壁に囲まれて、音も光も入らない空間。
息は出来るから外には繋がってるはずだし、
機械の目は夜間探査にも対応してるから周りもそこそこ見える。
けど通信は繋がらないし、何より仲間がいない。
「うっそだー……閉じ込められたぁ……」
あたしは一人で途方に暮れた。

──遡ること2時間前。
山岳地帯を探査中、あたし達は小さい遺跡を発見した。
外からのスキャンでも危険は感知さず、当然のように内部の調査も行うことになった。
明らかに人の手が加わった建物、ってことで最初は警戒はしてたけど。
あまりにも何もないもんだから、緊張感も次第に緩んでいってた。

最奥部で見つけたのは、壁にはめ込まれた五角形のパズル。
初めて来る遺跡のはずなのに、不思議とそれには見覚えがあった。
「遺跡の宝を守る鍵かも」なんて言って、解いたまでは良かったんだけど。
途端に石の壁が降りてきて部屋を分断。あたしは一人逃げ遅れた──ってわけ。

「マジ最悪、パズルを見た時に思い出すべきだったわ。
せめて、この形でヤバイって気づいてればね」
壁に刻まれたパズルの完成形──星の形を睨む。
この手の謎掛けは、教団にいた頃よく見てたんだ。
解法が何かしらの暗号になってるのか、うちのコロニーでは似たような玩具が
たくさんあったから。

教団の謎掛けがここにあるってことは、
この遺跡自体が最初っから仕組まれた罠だったんだろうか。
いや、教団の奴らがそこまでやるとは思えない。
たまたまこの遺跡を見つけた誰かが、パズルを解いたら壁が落ちる罠を仕掛けたんだろう。
……いったい誰が、何のために?謎ばかりが頭の中をぐるぐる回る。

あれこれ考えても仕方ないか。
他の班員は逃げ切れただろうし、そのうち助けにくると思うけど。
それまでただ待ってるってのは性に合わない。
「どっか壁の薄いとこを見つけて、慎重にぶち抜くしかないわね。
この遺跡もすぐ崩れるほど脆くなさそうだし」
目と耳を研ぎ澄ませて、壁を叩いて調べだした。


(2/9 診断結果より)
『オオカミの群れかぁ。グロリア、ここで食い止めて。コロニーの中に入れないようにね』
「了解!」
『ヴィートは別の入口を見張って、異変があれば連絡して。
後は僕と一緒に来てね。近隣の住民に説明しないと』
通信機越しに指示を出す班長の声を聞きながら、ふと悪戯心がわいた。

「班長、多少の損害は覚悟でコロニー内におびき寄せた方が効率いいですよ」
『じゃあそうして、って言ったら君はどうする?』
「オオカミを殲滅してから班長をぶん殴りに行きます。
住民に被害の出るような指示をするなら本物じゃないから」
間髪を入れず答えると、「だよねぇ」と笑う声。

『無関係な人達を危険な目には遭わせたくはないよね。
それに下世話な話だけど、これは調査団の評価を上げるチャンスでもある。
出来る限り、コロニーに被害を出さないように。お願いね』
「任せてください!」
両手に銃を構える。護衛と危険排除はあたしの役目だ。


(2/10 診断結果より
"森林地帯を移動中、付近にテロリストが逃げたという連絡を受けた。
追跡したところ、隠された洞窟を発見。
中は生活に必要な最低限の設備と、一通りの電子機器が備わっている。
洞窟内に生体反応はなく、テロリストの一団は既に逃亡したと思われる。"

「"テロリストはこの洞窟を拠点としていた物と推察"……」
「こら、グロリア。人の記録を横から見るな。洞窟内の調査はどうした?」
──あたし達が洞窟を調べている間、ヴィート達非戦闘員は入口で待機している。
いつもなら全員で行動するんだけど、今回は悪党どもと交戦する可能性があるからって。

「簡易爆弾の材料らしいパーツと、紙媒体のファイルを見つけたわ。
今どき紙って超古いよね」
ほらこれ、と見せる。見た感じでは何かの計画書みたいだ。
「それから、班長からの伝言。
ロックがかかってる電子端末を見つけたからハッキングお願いって」
「そういう重要なことは先に言え」

"──また、洞窟内から紙媒体の資料とプロテクトのかかったデータを回収した。
紙の資料はデータ流出を恐れ、アナログ形式で記録したと推察される。
おそらく重要な物なのだろう。
これらは母船に持ち帰り技術班に回す予定。"
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