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一次創作、時々版権ネタ。
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有志企画「Another War」のソロールをまとめました。
よその子との交流ロールはカットしています。
また一部、よその子の名前が出ている場面があります。
問題がありましたら記事を下げますのでご連絡ください。

一部編集済み。


(10/6 診断結果より)
──こちらにも損害は出たが、敵部隊を追い払うことには成功した。
村落に戻れば民が集まってくる。
「危ないところだった。我々が通りがからなければ、村は今頃……」
と深刻そうな顔を作れば、村の者達は次々に感謝の言葉を口にする。

奴らが村落を狙っていたという確証は一切ない。
おまけに現地調査のために派遣されただけの我々でも撃退できるほど弱かった……ということは黙っておく。
彼らは村落を救った私を称え、条約にも従順になるだろう。


(10/8 オプション加入ロール)
砦が完成したころ、珍しい来客があった。楽器を携えた若い娘だ。
見た目通り彼女は吟遊詩人で、私に同行したいという。

「何故私に?」
「前線での噂を聞き、この方ならいずれ英雄になられると思いました」
「窮地に陥っても見捨てるが」
「心得ております。身を守る術は持っています」

「分かった。私の元を離れる際は言ってくれ」
「同行しても宜しいのですか」
「駄目だと言ったらどうする?」
「納得していただけるまでここを離れません」
「なら同じことだ。これから他部隊の支援に向かうが、お前はどうする?」
「もちろん付いていきます」

「私については何も聞かないのですか」
「聞いてほしいのか?」
「そうじゃなくて、怪しいとは思わないんですか」
「怪しい人間に尋ねたところで本当のことは言わないだろう」
「そうですけど!」
詩人がもどかしげに叫ぶ。彼女をおちょくるのもこの程度にしておこう。

「お前や兵達が何を思い私に加担しているのかは関係ない。
条約の旗に集い、協力する限りは味方だ。味方する者には喜んで力を貸そう」
「寛大な心をお持ちなのですね。ですが、信念も知らずに信頼しても良いのですか?」
「心配は不要だ。元より信じてもいない」
「……はい?」

「人の心は移ろいやすい。
部隊も一時的に指揮官を引き受けたもの。いつ裏切られてもおかしくない」
だから常に対処を考え、行動している――と続けると、詩人の顔が幾分かこわばった。
無理もない。配下を信じない君主など、彼女が思い描く英雄とは程遠いだろう。

「では私のことも信じていないのですか」
「当然だ。だから言ったろう、離れるときは言えと。
お前が私のことを見限り去ろうとも止めはしない。だから反逆など考えるな」


(10/10 診断結果と支援ロールより)

少年の護衛と、悪魔憑きの支援のおかげで交渉はいたって穏便に進んだ。
彼らへの恩はいずれ戦場で返すとしよう。
裏切りを唆かすのは気分が悪いが、被害を最小限に抑えながら城を落とす為には必要な事だ。
出来れば付近の街に戦火が及ばぬようケリをつけたいところだが、さて。

街に戻ると、待たせていた吟遊詩人がやってきた。
彼女にはただの停戦交渉だと伝えていた。
他勢力を刺激しないよう、限られた人員で事を運ぶため街で待機していてほしいとも。
今日のような裏工作を行う時には彼女を連れて行きたくはない。
まだ若く未熟な詩人に、大陸の暗部を見せるのは早すぎる。

「君主様、戻られましたか。それで話し合いはどうでした?」
「様付けはよせ。君主扱いは性に合わんし、身分を伏せる意味がなくな…なんだそれは」
彼女は楽器とは別に、大きな麻袋を抱えていた。
指差して尋ねると袋を降ろし、口を開いてみせる。

「街の中で弾いていたところ、露天商の方々に気に入られまして。
野菜とか魚とか、あと何があったかな。とにかくいろいろ稼いで、いえ頂いてきました」
私の歌も役に立つでしょう、と自慢げに披露する詩人を前にして思った。
前言撤回、こいつは思ったよりも強かだ。次からは彼女も連れて行こう。


(10/11 診断結果より)

「味方を助けに行くのに、信頼はしてないんですか。やっぱりおかしいですよ」
荷物を片付ける私の隣で詩人が抗議する。
「口より手を動かせ。
それに前にも言ったはずだ。同じ旗の元に集う者は味方だと。味方は助ける」

「君主様より動いてますよ!
助けるならその人の事を信頼する、信じないなら誰も頼らない、でいいでしょうに」
「だから様付けはよせ」
それにあの悪魔憑き──ルシアと言ったか、奴に借りを作りたくはない。
いつの間に私の名と目的を知ったのか、油断ならない相手だ。

「これが終わったら行くぞ」
「どこにですか?また支援に?」
「いや、一度街に戻る。急いで調べたい事が出来た」


(10/14 診断結果より)

「近くに人の住む集落もない。武功をあげる良い機会だ。出来る限り前に出る」
「正気ですか!?死んじゃいますよ!」
「お前はここに残れ。足手まといを庇いながら戦う余裕はない」
なおも喚く詩人を後に残し、先日雇った魔法剣士と共に駆け出す。矢の届く距離まで迫ればこっちのものだ。

何も心配することはない。この程度で死ぬならとうの昔にくたばってる。


(10/14 診断その後 オプション《エルフの魔法剣士》が増えています)

「なんって無茶するんですか!
名誉が欲しいからって、死んじゃったら意味ないじゃないですか!」
「あの程度じゃ死なん」
「何を根拠に!もう、わけわかんないです!」
怒り狂う詩人を見かねたのか、剣士が仲裁に入る。
あの激戦から数日経つが、彼女はずっとこの調子だ。

「私からすればお前が分からない。何故わけのわからない相手に付き従う?」
「決まってるじゃないですか。あなたの生きざまを見届けると決めたからです。
だから知りたいのに、あなたって人が全然分からない。
どうして命がけで栄誉を求めるのか、どうして人を助けながら信じないのか」

教える必要はないと思ったから言わなかった、と正直に答えればどうなるか。
まず間違いなく詩人の怒りに油を注ぐことになるだろう。
剣士は何も言わないが――もっとも彼が喋るところを見たことがないが、
雇い主のことは知っておきたいと目で訴えている。
2人の視線に、仕方なく口を開く。

「……先代の君主は、疑うことを知らない人だった。ゆえに裏切られて領地と民を奪われた。
私は、やっと手に入れた家と尊敬する師匠を失った」
その時に思い知った。ただ優しいだけではいつか身を亡ぼすのだと。
人を従えるには、彼らを納得させるためにそれ相応の力が必要なのだと。

「だから私は領地を持たない。多くを持てば奪いにくる輩がいる。
奪われぬよう身を守るためには、力を手に入れるのが一番だ。」
これで理解したか、と話を締めくくる。
詩人は先程とは打って変わって黙りこくったままだ。これで彼女も気が済んだろう。

……しかし、我ながらよくいい加減なことを言えたものだ。
過去の話は事実だが残りは咄嗟についた嘘だった。
私が領地を持たないのも、名誉を求めるのも、本当のところはもっと別な理由がある。
――もっとも、それを誰かに明かす気はないが。


(10/16 診断結果とオプション取得ロール)
「せっかく一緒に来てもらってるんですから、剣士さんにも相応の武具を持たせるべきです!」
発端は、そんな詩人の主張だった。
数ヶ月前に雇った異界の魔法剣士。
青年というよりも少年といった容姿の彼は、どうもレリムアの言葉がわからないようであった。

ゆえに喋ることが出来ず、当然名乗ることもない。もっとも、彼の素性など興味はなかったが。
しかしこちらの言う事はある程度理解しているようで、最低限の意思疎通を図る事は出来ている。
この時も詩人の発言にも顔を輝かせ、懇願するような目で私を見つめた。

偶然にも、訪れていた領ではバザーが開かれており、各地の行商人が集まっている。
情報収集も兼ねて共に向かうことにした。
剣士は気になる物を見つけては私の袖を引き、物の良し悪しを彼なりの物差しで見定める。
これと決めた品は詩人が値段を交渉し、予算内に収まるよう買いつけていく。

かくして日が暮れる頃には異国の剣士に見合う武具一式といくつかの書物──
言葉を教えるのに有用だと詩人が判断したらしい、
そして何故か私の装備品まで揃えていた。


(10/18 診断結果より)

「さて、どうしたものか」
得た情報を脳内で反芻しながら呟く。
力のある君主にそれとなく報せれば、裏を取り処罰してくれるだろうか。
いや、他人任せにすれば逃げられるとも限らない。
民や配下の期待を裏切り、条約の名を汚した者は自分で処罰せねば。


(10/19 診断結果より)

「条約の民が苦しんでいるのに君主が休んでいるだけというのは示しがつかん。私も手伝おう」
「駄目です、コーエンさんは休んでてください!あなた料理下手じゃないですか!」
「……(無言で頷く」
「あなたの料理は美味しくないんですよ!あんなの食べさせたら可哀想です!」
「……(無言で頷く」

配下2人の猛反対に遭ったため、炊き出しの手伝いは彼らに任せることにした。
……そこまで酷かったのだろうか。



(10/20 診断結果より)

「魔法師か。面倒なのが出てきたな」
勝てない相手ではない。だが厄介ではある。私の矢が届く範囲は奴の射程内。
と、攻めあぐねる私の横をすりぬけ、飛び出していく少年──異界の魔法剣士だ。
彼の操る魔法は混沌によらない、すなわち魔法師とて妨害は出来ない。

剣士は立ち塞がる兵を切り抜け、魔法師へと果敢に挑みかかる。
奴の注意が逸れたのを逃さず矢を射掛ける。
──敵陣に飛び込む前に合図を送るなり何なり出来たろうに。
戦況は好転したが、これは勇敢というより向こう見ずだ。
次の矢をつがえつつ、頭のどこかで彼の戦いぶりを冷静に見る私がいた。


(10/21 診断結果より)

――やっとの思いで魔境を抜け、大きく息を吐いた。
ここまで来れば混沌の影響を受けることも、他勢力の者に見つかることもないだろう。
「それにしても。混沌核を探すつもりが、裏取引の現場を出くわすとは。
おかげで魔境を消し損ねた」

「とんでもないものを見ちゃいましたね。
あんな現場を見たってバレたら、私達が消されちゃいますよ」
「…!?……!」
「落ち着け。我々があの場にいたという証拠はない。
やられる前に殲滅しようものなら、逆にこちらが疑われる。
闇を持つのは向こうだ。我々は堂々としていればいい」

そう宥めると、剣士も納得したのか武器をおさめる。
しかし、掴んだ情報をどうしたものか。
直接強請るのはリスクが高いし、後で暗殺されるのがオチだ。
ならば役立ててくれそうな者に譲るとしよう。
奴らの弱みを戦術に組み込み、必ず潰してくれそうな者。
聡明で悪を許さず、誠実な者がいい。

「よし、ひとまず東に行こう。奴らの報告を終えたら、今度こそ魔境を処理しに行く」
「またあそこに行くんですか!?」
「当然だ。混沌を払うのが私の使命。大部隊を率いる役は他に任せる」


(10/22 突発茶番ソロール)

「酷い嵐だな」
ぽつりと呟くと隣で剣士が頷いた。
彼は自然環境の変化に敏感らしく、今も落ち着きなく宿の部屋を歩き回っている。
空や大地が荒れると精霊が騒ぐのだという――
正確な意味は分からないが、彼が書き記した言葉を直訳すればそうなる。

「宿が取れてよかったですね。行軍中だったら大変でしたよ」
「全くだ。前線にいる者達は無事だろうか」
「あら。コーエンさんが他の人達を心配するなんて、よっぽどですね」
「お前は私を鬼か何かと勘違いしていないか」

山が崩れ道が断たれれば身動きは取れなくなる。
そうなる前に発つつもりであったが、この雨と風では外に出るのはかえって危険だ。
それに――道を再び通すのには人手がいる。
指揮を執り、卓越した技で土砂を押しのける者がいればなお良い。
今しばらくこの村落に留まることにしよう。


(10/24 診断結果+SP100突破記念)
「納得いきません!」
「まだ言ってるのか」
「だって奇襲ですよ?不意打ちですよ!?卑怯じゃないですか!」
「まず手を貸してくれた味方を貶すな。次に奇襲も立派な戦術だ」

あれから何度同じ会話を繰り返したことか。

奇襲が予想以上の戦果をあげたこと、友軍の偵察兵から──敵軍の行動を正確に把握し、奇襲作戦を持ち込んだ張本人に讃えられたこと。
どれも詩人は気に入らないらしい。

「あなたならいずれ素晴らしい将軍になるって言われてたじゃないですか!」
「それが気にくわないのか」

「そりゃ確かに魔法師とやり合った時もゴリラに追われた時も生き延びました!
コーエンさんが着実に戦果を上げてきたのはよく知ってます!
私だってこの人なら英雄になると思って付いてきましたよ!」
「お前は私を褒めたいのか?貶したいのか?」

詩人の言わんとすることはわかる。私のような偽善者は英雄に相応しくないと考えているのだろう。
特に最近、少しずつではあるが私自身の戦果を評価される事が増えてきた。7それで余計気にかかるようだ。

──だが、心配することはない。おそらく、今の私では真の意味で英雄にはなり得ない。

英雄というものは、若くして部隊長にまでなった邪紋使いの少年の様に誇り高く誠実な者。
盾兵と彼の仲間達のように、天運を味方につけ困難に抗う者。
あるいは天魔の名の通り強かに戦場を生き抜く者。
そういった、志を高く持つ者に与えられる称号だ。

成果を上げさらなる名誉を得ること。それが私の目的だった。
だがそれ以上に、私は自身の信念を遂げる事が出来るだろうか?
果たして"師の思いを届ける"為の聖印に恥じぬ君主に近づいているだろうか?

これを機会に、一度自身の在り方について考えてみるべきかもしれない。


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