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一次創作、時々版権ネタ。
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推奨レベル6~8 バージョン1.50専用
子供PCを含む6人パーティであること

荷物の配達のためにディマナ村に向かった冒険者一同。
この村には子どもがいないという噂を聞いていた。
しかし、冒険者一同が見つけたのは子どもが遊び、
笑い、溢れている姿だった。
(添付テキストより抜粋)

少々長くなったので3分割してます。
ネタバレ、スクショ大量につき注意。




平和な村が偽りで、真の平和を取り戻す。
その方法が人々を皆殺しにするしかないとしたら、あなたはどうしますか?



冒険者たちは馬車を借りて、今回の依頼人がいる村……ディマナ村へ向かっていた。
依頼の内容は荷物の配達。とても簡単な依頼である。
だが急ぎの依頼ということもあり、途中の村には最低限にしか止まらなかった。

シン「だいたいだよ!
なんでこんな簡単な依頼を僕達みたいなベテラン冒険者がこなさなきゃいけないのさ!」
カルラ「私達はベテランというほどベテランではないけど……。
あなた、依頼の内容聞いてたの?」
シン「もちろん聞いてたよ。8分は」
カルラ「何よ、結構聞いて……ん?8分」
リリー「依頼の内容を聞かない奴がベテラン冒険者なわけないでしょ。
依頼人の話ぐらいちゃんと聞いておきなさい」
シン「まさかリリーに言われるとは思わなかったよ。……それで、なんで僕達なの?」



シン「子供がいない村?全くいないの?」
イオネ「前は、子供がいた。とても平和な村だった」
イクス「けどある日、北から来る妖魔に襲われた。それも何故か、子供だけが殺されてしまったんだ」
リリー「それでよ。シンのような子供が村に行くことで、
村人たちは新たな一歩を踏み出すことができるわ!」



リリー「あんただって、中身は可愛げがないとはいえ見た目は子供なんだから」
シン「可愛げがない、は余計だよ。褒められても嬉しくもないけど」
イオネ「けど、冒険者なんかに慰められて、嬉しい……?余計辛くて、悲しくなると思う」
リリー「そんなことないわ!わずかでも前へ進める可能性があるなら行くべきよ!」
イオネ「……あなた、イクスに似てきた……?考えなしの馬鹿さ加減が」
イクス「ちょっ、それどういう意味だよ!俺はリリーほど向こう見ずじゃないぞ!」
シン「はぁ……。とにかく、子供冒険者がいるから派遣されたわけだね」
ディル「まあ、それだけというわけではないんですけど……」
イクス「あ!皆見てみろ!」



様々な冒険者達の思いを抱いて、馬車は村の中へ入っていく。




シン「…………」
イオネ「……聞く?」
リリー「聞こう」
イクス「えーっと、この村の子供達はみんな、昨年の事件で亡くなってしまったって聞いたんだけど。
子供たちが皆殺しにあった……と」



村人「こんな辺鄙な村じゃからのう。良くない噂も出回ることもあるじゃろうて」
ディル「まあ、そんなこともありますかね」
イクス「なんだ、ただの噂か。それならいいんだ」
シン「……誰が依頼人の話をちゃんと聞いておけって?」
イオネ「慰めになるって……?」
リリー「……お、思い違いは誰にだってあるでしょ!」
イクス「そんな顔するなよ、リリーにもいいことあるって」
リリー「私を慰めないでちょうだい!」
ディル「とにかくです、事件がなかったならよかったではないですか」
リリー「そうよ!よかったのよ!よかったんだからさ!!」
カルラ「みんな、そろそろ移動しない?西の学校に依頼人がいるって話だったけど」



依頼人はジョンイという名で、この学校の教師だった。

イクス「こんな小さな村に学校なんて珍しいな。シンも通ってみたらどうだ?」
シン「お断りだよ。僕にはまだ知りたいことがあるから」
ディル「それにしても、子供をよく見ますね。
……ここの子供は皆殺されていないと、噂があったのですよ」
ジョンイ「……そうか」
イクス「? ……ジョンイ?」
ジョンイ「いいや、少し驚いてしまってね。そんな噂が出回っていたなんて。
妖魔なんてここ数年来ていないのに」
リリー「私達は……」
イオネ「!!ほら、泊まる場所、決めなきゃ!早くしないと、日が暮れる……!」
イクス「なんだいきなり……」
ジョンイ「村長の家でならとまることができるんじゃないかな」
イオネ「そう、ありがとう!さあ、皆も早く!」
イクス「じゃあ、ありがとう。ジョンイ」


イクス「えーっと、村長の家はこっちだったかな」
イオネ「……それは、まだいい。それより。
私達は、子供たちが殺されたといった。妖魔なんて、一言も言っていない」
イクス「え?どういうことだ?」
イオネ「彼は、噂が出回ってたのに驚いたと言った。……あれは、嘘だ」
イクス「そんな……!姉貴の考えすぎじゃないのか?」
カルラ「やっぱり、ここはおかしな村ね」



シン「もう1つの依頼……?」
リリー「……そういやあんた、あの時すでに馬車で寝てたわね。
これは、配達の依頼主とは違う。亭主からの依頼とも言えない、依頼よ」

同じ依頼を受けた2人の女性冒険者が、ディマナ村に行ったきり帰ってこなかった。
初めての依頼だったから、荷物配達という簡単な依頼を任せたはずなのに。
もし彼女たちの手がかりを見つけたら持ち帰ってほしい……と。

リリー「だから、配達だけ済ませて帰るわけにはいかないのよ」
イオネ「私達をそんな得体の知れない場所に、向かわせるなんて……」
イクス「だから、それは亭主も言ってただろ?俺達を信頼してるからだって」

まだ日暮れまでには時間がある。
ひとまず村人に話を聞きながら、周囲の情報収集を続けていた。


村人「そういえば、北にあるサイト村とは最近関わりがないわね」
シン「へぇ。北に村があるんだ」
村人「あら。この辺の地形には、あんまり詳しくないのかしら?」
シン「僕達、遠くから来たんだ。ここまで来るための地図は持ってたんだけど……」
村人「このあたりの地図は持ってないの?ほしい?地図」



子供「ユニったら、武道をするのが趣味でね。
彼女以上に強い人はこの村にいないもんで、あなた達みたいな強い人と戦ってみたいらしいわね。
全く21歳なのに子どもなんだから、困っちゃうね」
シン「(こっちの子供の方がよっぽどしっかりしてるな)」
カルラ「あれで21歳なのね……。私やリリーより少し年上か」
ディル「どうします?イクス」



イクス「それに、真面目に交渉するよりずっと面白そうだしな!……ってことで、頼んだぞ」
リリー「はいはい、そういうことなら任せといて!」
シン「(この人達も同類だな)」

ユニとの腕試しにも打ち勝ち、周辺の地図を譲り受けた。
これによれば北にサイト村、東にメティック村があるらしい。


ユニの家を出て、おもむろにリリーが口を開いた。

リリー「ねえ、何かおかしくない?この村の子供達……よくわかんないんだけど、違和感?」

子供「こんにちは」
リリー「……!」



イクス「ちょっと、おい、それ俺の剣!」
シン「どうしたのさリリー!?」
リリー「2人とも黙ってて。……ねえ、子供君。あんた、分からないのよ。
気配があるけどないような……
こんなことを言うのもなんだけど、あなた…… 生きてるの?」
ディル「やめなさいリリー!そんなことしても、どうにもならないでしょう!」
イオネ「……どうにもならない?」




イオネ「……この村には、何かある。
手がかりは、ここにある……変な子供も、消えた女性冒険者も」
ディル「イクス、どうしますか?」
イクス「依頼は果たすに決まってるだろ。約束した限り、女性冒険者のことも調べるさ」
ディル「分かりました。イクスがそういうなら仕方ありませんね」
イオネ「……この村を、詳しく調べよう」


ユニ「皆ー!ここにいたの!」
シン「さっきの……。どうしたの?新しい情報でもあった?」
ユニ「ほら、きっとあんた達知らないでしょ?マヤナちゃんのこと。教えてあげようと思って」
カルラ「確かに、聞いたことがないわ」
ユニ「あっちの山の奥に住んでるのよ。歩いて30分ほどかしら。……あ、ほら!あそこ!」



ユニ「この時間になると、いつも降りてくるのよ。食べ物とか取りにさ。マヤナちゃーん!」

ユニが声をかけると、マヤナはユニを向いて表情が明るくなる。
だが、その後ろにいる冒険者を見ると微笑が消え、
再びおどおどと落ち着きのない様子で周りの様子を見る。

ユニ「大丈夫よマヤナちゃん。この人たち、変な格好してるけどいい人だから」
リリー「変な格好は余計よ!」




ディル「2人はとても仲良しなのですね」
ユニ「もちろんよ。もう、姉妹みたいなものよ!」
カルラ「ねえ、この村でこれぐらいの子供を見るの初めてじゃないかしら?
いや、見てはいたけど……。怖がるような子供は……ね」
マヤナ「…………!」




カルラ「(へえ……ユニ、ジョンイさんが好きなんだ。分かりやすいわね)」
ユニ「ええっとですね、冒険者さん達に、マヤナの紹介を!
冒険者さん達が、村を調べたいそうでしたので……」
ジョンイ「村を調べたい?……そうか。
もうすぐ日が暮れる。その前に、村長の家に行って、朝日が昇るまで泊まっているといい」
リリー「待ちなさいよ!まだ、この村で調べたいことが……!」
ジョンイ「調子に乗るな。 こちらとしても、村を調べられるのはあまりいい気分がしない。
……もしもこのまま村を調べるつもりなら、今すぐ出ていってもらう」
シン「……調べられて嫌な物がないなら、調べさせることぐらいできるんじゃないかな」
イオネ「……わかった。村長の家に行く。村の調査もやめる」
ジョンイ「そうか。それはよかったよ。……ユニ、この人たちを村長の家まで送ってくれ」


リリー「ねえイオネ、」
イオネ「分かってる。話は部屋で。いい?」

ユニが帰るのを待って、一行は村長から借り受けた部屋に引き上げた。

リリー「……それで、イオネ。どうするつもり?」
イオネ「これも、真実を掴むため。村人たちが寝ている間に調べる」
ディル「村人たちに内緒というのは心苦しいですが、仕方ありません」

一行はそのまま部屋で日暮れを待ち、夜になると窓からそっと外に抜け出した。



イクス「調べるって言っても聞き込みは出来ないし、他に村で出来ることはあるのか?」
カルラ「だったら、村の外に出てみない?村の近くなら、新たな情報があるかもしれないわ」
イクス「そうか……そうだな。村の近くを調査してみよう」




シン「新しい足跡と古い足跡。2種類の足跡があるみたいだよ」
リリー「2つ……?妖魔が村に2度来た、ということ?」
イオネ「可能性は、高い……。覚えておこう」



シン「何これ?扉?なんでこんなところに?」
カルラ「避けて通りたいところだけど、それもできないわね。ほら、見えないけどここに壁がある」
リリー「面倒ね。なんとかして壊せない?」
イオネ「とても強い技なら、あるいは……。でも、リリーでも無理」
シン「鍵穴はある。……ちょっと待って、もしかしたら」



イクス「その鍵、いつの間に拾ったんだ?」
シン「さっき通った道に落ちてたんだ。これで先に進めそうだね」
イクス「さすがにこういうところは目ざといというか、頼りになるな」



イオネ「魔術を補助する道具……でも、どれも使った後……ね」
イクス「誰かが魔術を使ったってことか?それも道具での補助が必要なほど難しいような」
リリー「1,2,3……7個あるみたいね。これも手掛かりに……」
カルラ「……待って!周りを見て!」



イオネ「(この種の妖魔、ここにいたかしら……?)」


2に続きます。
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