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一次創作、時々版権ネタ。
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章分けされてるからリプレイの分割もそこそこ簡単でした。

リプレイとは全く関係ないんですが、ツイッターで創作っ子のbotを作りました。
いずれミエナイトモダチの台詞も(リプレイでは没にした分も含めて)追加する予定です。
が、予定は未定です。
botはこちら。非公開設定にしていますが、フォローはお気軽にどうぞ。

ネタバレ・スクショ大量につきご注意ください。




――と、視界の隅に小さな影が走った。
皆の注意がそちらに逸れた隙に、セワードが影を捕まえてこちらに見せつける。




キャリー「どうするの!?このままじゃメアリちゃんが危ないよ!」
イズミ「……仕方ない。私が合図したら、全員で強行して彼にとびかかるんだ」
ウォルト「さらっと無茶なことを言うなお前。でも、それしかないか」
イズミ「せっかく追いつめたんだ、ここで奴を逃がすわけにはいかない。後は我々の実力次第だ――」




いつの間にか何者かが背後に立っており、セワードの首を刎ね飛ばした。
彼は素早くメアリを逃がすと、そのままこちらに立ち向かってきた!

(スクショ)

キャリー「あっ……!またランプを落とされちゃった!」
メロ「魔力の気配を複数感じます。どうやら囮がいるようです、気を付けてください」
アッシュ「そうだ、てめぇ炎の技能持ってなかったか?」
イズミ「無茶を言うな、あれは魔法とは違う!周囲を照らすにしても一瞬だ!」
ウォルト「(駄目だ、やっぱり生体反応がない……。これじゃほとんど検知できない!)」



暗闇の中で苦戦していると、不意に視界が明るくなる。ルトラがランプを灯したらしい。

イズミ「よし、こうなれば我々のものだ!一気に片を付けるぞ!」
アッシュ「言われなくてもわかってるっつの!役立たずが出しゃばるんじゃねえよ!」



とどめを刺そうとした瞬間、ローブの影は素早く逃げだした!




後を追って外に出ると、周囲が明るくなっている。――もう夜明けが近い。
雪原に点々と足跡が残されている。
跡を追っていくと影がまとっていたローブと、人型を模したような灰が散っていた。
一行が見ている間に、両方とも朝日に照らされて消えてしまった。

イズミ「今の灰が、さっきの影のなれの果てということか?」
ウォルト「状況を見る限り、そうとしか考えられない。足跡はここで途絶えてる。
奴が空を飛べるとか魔法で転移できるとかなら話は別だが」
メロ「大がかりな魔法を使った直後ならそれなりに痕跡が残っていそうなものですが、
そういったものは感じられません」
ルトラ「ということは、彼はお日様の光を浴びて灰になったということですか?」
シュライ「日の光を浴びて灰になる……まるで吸血鬼そのものだな」
イズミ「まさかあれが封印されてた吸血鬼、ってことはないよな?」
シュライ「さあ。封印されていた割には自由に動き回っていたようだが。
地下霊廟に行けばもう少しはっきりしたことが分かるかもしれない」
イズミ「なら、地下に戻って調査を続けるか。ここにはもう用はないだろう」





地下霊廟に続く扉には、祈りの文字が刻まれている。
解読したシュライとルトラによれば、パメラという人を偲ぶ祈りの文章らしい。
扉には鍵はかかっておらず、簡単に開くことができた。



ルトラ「この広い霊廟に、棺がたったひとつ……。
あれが、パメラという方の棺なんでしょうね」
イズミ「文献を信じるなら、あの棺に眠っているパメラという人物が
封印された吸血鬼ということになるわけだな」
ウォルト「……この棺、やけに手入れがされているな。それに、人が出入りした跡もある。
間違いなく、誰かがこの棺を管理しているはずだ。
その誰かが中で眠っている本人だという可能性も含めてな」
イズミ「さて、どうする?開けるか、それともこのままにしておくか……ルトラさん?」
ルトラ「……いったい、私はどうしたらいいんでしょうか。
イズミさん、私はどうすべきなんですか?」
イズミ「そなたには、これを開く義務はない。だが、自分のその目で確認したいと思っているのだろう?
教会で『悪』とされる魔物が、真にこの世から滅ぼすべき存在であるのかどうか」




イズミ「我々はそなたの命令に従う。だから、そなたは自分の思った通りのことをやればいいんだ」
ルトラ「……そうですね。わかりました、開けましょう。
って、もちろん開けるのは皆さんですけどね」
アッシュ「やっぱりな。そういうと思ったよ。……言いだしっぺが責任とれよ」
シュライ「俺達はちょっと離れるからな。ルトラさんもこっちに」
イズミ「最も危険な役を任されたか。望むところだが」

イズミが棺に手をかけ、重い蓋がゆっくりと外される。
――そして中を覗き込み、安全なことを確かめてから皆を手招いた。




シュライ「なるほど、よく似ているがメアリではない。コレからは、命の気配を全く感じない」
イズミ「……で、この吸血鬼はどうするんだ?今なら楽に退治することができるが」
ルトラ「え?わ、私が決めるんですか?」
イズミ「もちろんだ。我々が決めることではないぞ、これ――」

言い終わる前に、突然メアリが部屋に飛び込んできた。



シュライ「まずいな、パメラが反応してる。このままだと目覚めるぞ」
キャリー「迷ってる場合じゃないよ、イズミ!早く蓋を閉めないと大変なことになっちゃう!」
イズミ「……いや、封印し直すよりもこうする方が確実だ!」

メアリの制止を振り切り、イズミは得物を抜いて深々と突き刺した。




ルトラ「そうですね。それじゃあ、いったん村に戻り――」
メアリ「イヤ……村には……帰らない」

メアリはルトラの腕をすり抜けて逃げ出した。




メアリ「パメラが、いなくなっちゃったら、もうだれもわたしの、はなしを聞いてくれない……
もう、だれもわたしをたすけてくれない……」
アッシュ「……どうすんだ?ルトラのの判断を待たなかったのも、パメラを殺したのも、
メアリの居場所を奪ったのも、全部てめぇがやったことだぞ」
ルトラ「イズミさん、いったいどうしたらいいんですか?
私があの時みなさんを止めなかったから……
だからメアリはこんなにも辛い思いをしているんですか?」
イズミ「それは違う。決断を下したのは我々だ。ルトラさんには何の咎もない。
……そしてもちろん、その決断をした我々にも、何ら咎もない」
アッシュ「(我々にもって、俺達も巻き込んだ上に責任逃れか……と言いたいところだが、
珍しく真っ当なこと言いやがる)」
イズミ「メアリ、聞こえるか?私が分かるな?……いいか、よく聞いてくれ。」




イズミ「お前はこれまで、村で何度も嫌な思いや辛い思いをしてきたのだろう。それでもお前は生きてきた。
それはパメラがいたからか?違うだろう?死にたくなかったから――生き続けたかったからだ。
拠り所を失ったんなら、また次のよりどころを探せばいい。
人がそうやって生きていくことを、誰も咎めることは出来ない」

そこで言葉を切り、仲間達に帰るよう促した。
メアリは1人でも戻れるだろうし、本人に生きようという意志がなければ
無理に連れ帰っても同じことだ。

イズミ「私は自分の判断を間違っていたとは思わない。
メアリにも今できる限りの助言をしたつもりだ。後は、彼女自身が決めることだ」

イズミはそれ以上は語らなかった。表情は何かを確信しているようでもあった。
一行が歩き始めた頭上では、雲が切れて陽光が差し込んでいる。
それはまるで、彼らの行く末を照らすかのようにも思えた。


・後日談

アッシュ「『吸血鬼』パメラ・メッカニアの棺から発見された手記の解読報告……」
キャリー「これってルトラさんの報告書?よく手に入れられたね」
シュライ「長いから要点だけ説明する。まず、パメラは当時の領主の妹にあたり、
何者かの手によって十二歳の時に吸血鬼化した。
そしてグリグオリグは彼女を封印するどころか、養護していたとされる」
メロ「さらに、グリグオリグ自身も望んで吸血鬼化したと記されていました。
教会により失われた左腕をグリグオリグが奪還し、力の戻ったパメラが彼を吸血鬼化した……」
ウォルト「吸血鬼……ってことは、ひょっとしてあのローブがグリグオリグ本人か?」
シュライ「少なくともルトラさんはそう推察している。
彼の僧衣と灰は陽光を浴びて消え、その生死については不明」
メロ「もし手記に書かれていることが事実なら、
グリグオリグは列聖どころか破門すべき不死の怪物です」
イズミ「それをお前が言うのか」

シュライ「ここからは個人的な推測だが、領主が遺言でグリグオリグの列聖を求めたのは
妹を養護しつづけた修道士への恩義もあったのではないかと思う」
アッシュ「じゃあ、妹が吸血鬼になったことも知ってて黙ってたと?」
シュライ「かもしれないし、知らなかったかもしれない。今となっては真相を確かめる術はない」
キャリー「パメラがメアリとそっくりだったのはどうして?」
シュライ「領主の一族はあの後散り散りになって、消息は一切不明だそうだ。
もしかしたら、メアリはパメラや領主の末裔だったのかもしれない……
それにしても、あまりにもそっくりだったが」


3回目のプレイにして初めてパメラにとどめを刺すルートを見ました。
ついでに道中のリスクブレイカーの提案をのむエンドもみましたが、
びっくりするぐらい何もなかったです。よくある途中放棄と同じ感じでした。
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