一次創作、時々版権ネタ。
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推奨レベル4~6
このシナリオはカードワースカーニバルでも配布されていますが、
バグが複数個所あるため最新版のプレイをお勧めします。
少しずつ物語が明らかになっていく前半と、
物悲しくも燃える後半のストーリーがとても楽しいシナリオでした。
終盤の読み物パートはにやにやしたし、ボス戦のギミックも面白かった。
ただPCの過去設定をがっつり考えている人には不向きかもしれません。
ネタバレ・スクショ大量につきご注意ください。
またシナリオに描かれていない部分を勝手に解釈したり、
PCに対しての捏造設定も非常に多く含みます。
このシナリオはカードワースカーニバルでも配布されていますが、
バグが複数個所あるため最新版のプレイをお勧めします。
少しずつ物語が明らかになっていく前半と、
物悲しくも燃える後半のストーリーがとても楽しいシナリオでした。
終盤の読み物パートはにやにやしたし、ボス戦のギミックも面白かった。
ただPCの過去設定をがっつり考えている人には不向きかもしれません。
ネタバレ・スクショ大量につきご注意ください。
またシナリオに描かれていない部分を勝手に解釈したり、
PCに対しての捏造設定も非常に多く含みます。
イヴァン「みんな、付き合わせて悪かった」
エゼル「いいさ。それより、これからのことを考えよう」
ラルフ「なんだ、エゼルのくせに優しいなんてずいぶん珍しいな」
ミアト「いや、エゼルは元から、優しい……少なくとも、綺麗な女性には」
エゼル「2人とも酷いこと言うな。こんなに善良で無害な冒険者もそうそういないぞ?」
イヴァン「(いつまでも落ち込んではいられない。これから先、どう行動するかを考えよう)」
エゼル「村を襲っているアンデッドの出所は領主の館で間違いなさそうだな」
イヴァン「アーベルは死霊術に対する防衛術に非常に長けた魔術師だった。
少なくとも、死霊術に関する知識はあったと思う」
ソニア「結局はアルバーティ卿もその娘も、消息不明なんだよね。
館は燃やされたけど、死んだかどうかは誰も確認してないんだから」
ミアト「それに、卿の娘が本当に殺されたのか、分かる人間は卿しかいなかった……」
ソニア「神父の話じゃそんな感じだったね。娘が生きてる可能性もないわけではない」
イヴァン「いずれにせよ、この状況の原因が館にあることは間違いなさそうだ」
ラルフ「で、これからどうすんだ?」
ソニア「あたし達は付いてきただけだからね。先のことはイヴァンが決めてよ。
館に探りを入れてもいいし、村を出て騎士団に報告してもいいわけだ」
イヴァン「(村を去って騎士団に報告するのが一番安全で確実だ。
だが、騎士団も盗賊の討伐に手を焼いている。助けが間に合わないかもしれない。
……何よりも、彼が引き起こした事件を放っておきたくない)」
神父に事の次第を話し、礼拝堂を拠点にできるよう頼んだ。
快諾してくれただけでなく、村にあるありったけの銀貨を報酬として渡してくれることになった。
こうなれば、もう正式な依頼だ。冒険者として途中で投げ出すことは出来ない。
イヴァン「……たぶん、アーベルはもう死んでると思う」
ドロシー「えっ?でもさっき、卿の生死を見極めたいって……」
イヴァン「あの人が悪魔だとか死霊術師だとか、侮辱されたままなのが見過ごせなかっただけなんだ」
ドロシー「死者の名誉を晴らすためですか。ならばなおのこと、力を入れなければなりませんね」
ソニア「スケルトンにレイス……。あちこち亡者だらけね。
見つからないように、上手く気配を殺して館に近づこう」
館の扉は壊され、中は焼け焦げていた。村人が館に火を放ったという話があったのを思い出す。
ところどころ崩れて、立派だった館の面影はない。
比較的無事な扉を開けると、下に続く階段が出てきた。
階段は自然洞窟に続いている。
ソニア「何のためにこんな道が?」
イヴァン「この館は砦の跡に作られたんだ。昔アーベルがそう言ってた。
きっと、砦が機能していたころの逃げ道じゃないか?」
ソニア「なるほどね。それなら納得いく、……!」
ソニアが急に言葉を切り、手ぶりで止まれと示す。
一行が闇の中に身を隠した直後、細道の陰から奇妙な影が姿を現した。
ソニア「……うん、もう動いていいよ」
ミアト「あれは、何?死体を、縫い合わせてあった……」
エゼル「塚のゴーレムだ。クドラ教徒が使う死霊術の一種だな。
死んだ肉体に命を吹き込んだものだ。しかし、なぜここに?」
ゴーレムの監視をかいくぐりながら、奥へと進んでいく。
自然洞窟ではあるが松明や扉が打ち付けてあり、最近まで人が使っていたことは確かだ。
右側の扉からかすかに歌が漏れ聞こえてくる。
ソニア「怪しいのはどう見てもこっちだよね。扉に何か書いてあるけど、何これ?文字?」
イヴァン「あ、ちょっと待て。たぶん扉に魔法がかかってる」
イヴァンが剣を抜き軽くつつくと、空気を裂くような音とともに光が走った。
エゼル「驚いたな。ソニアや俺でも気づかなかった罠を見つけるとは」
イヴァン「アーベルがよく使ってた魔法なんだ。これだけは見分け方を覚えてるんだ」
ソニア「でもこれ、扉に触れなきゃ開けられないよ。イヴァン、エゼルも、解錠の方法はないの?」
イヴァン「それが、見分け方しか知らないんだ。そもそも僕は魔術師じゃないし」
エゼル「ただの施錠魔法なら何とかなるんだがな。この手の術にはたいてい特殊な鍵がいる」
ソニア「つまり今は打つ手なしってこと?2人とも、大事なところで使えないんだから」
左側の部屋には、アルバーティ卿の日誌が置かれていた。
かなり分厚く、大量の付箋や手紙なども貼り付けられている。
エゼル「大事そうなページだけ見ていくか。最初の付箋は、と」
ラルフ「恩人に思いっきり催促してんな」
ドロシー「日付は……ああ、確かにこの頃は妙に楽しそうでしたね」
イヴァン「ああもう、なんでこんな手紙取ってるんだよ!
すぐに捨ててくれればよかったのに……!」
エゼル「次の付箋には『イヴァンがうるさいから牛を飼い始めた』って書いてあるぞ」
ソニア「よっぽど催促がひどかったのね」
ミアト「(仲が良かったんだな……)」
イヴァン「頼むから余計なとこは読まないでくれ!」
次の付箋には盗賊が増え始めたことが書かれていた。
愛娘の死を嘆き、死霊術に手を染め、
少しずつ狂っていく様子が事細かに記されている。
クドラ教の術を使い娘を蘇生させたが、彼女は毎日寡婦が歌う哀歌ばかりを口ずさんでいること。
娘が心を閉ざしてしまっていること。
自分の過ちに気づき、一度は自分の杖で封印したこと。
最後の付箋が貼られたページはイヴァンにあてて、
娘がクドラの技法の虜になる前に連れ出してほしいとメッセージが記されていた。
イヴァン「『いつものやり方で杖を隠した』……ここか」
エゼル「ほとんど魔術に呑まれかかっているような状態だな」
ドロシー「そんな中であなたに希望を託した。必ず来ると信じていたんですね」
イヴァン「尊敬する人の頼みだ。もちろん、それに応えなくちゃならない」
扉の封印を解き、中に入ると少女が座っていた。
深く澄んだ瞳が見つめるその顔は半分が黒ずみ、腐敗した死肉。
それが不気味な太い糸で生きた肉に縫い合わされているのだ。
クロークから覗く手は老婆のように干からび、全身をつつむ包帯は薬品で黄ばんでいる。
だがイヴァンの名を呼び、服の裾を引っ張るしぐさには見覚えがあった。
エゼル「イヴァン、この子も連れていこう」
ソニア「扉を開けたから、このまま置いて行っても危ないよ。
どうせなら一緒に連れて行った方が守りやすいんじゃない?」
イヴァン「それでも危険すぎる!それに、トルジェは足が不自由なんだ」
トルジェ「……ううん、一緒に歩ける」
イヴァン「立てるようになったのか?」
トルジェは椅子から立ち上がり、後ろについてきた。
確かにソニアの言うとおり、どこにいても危険なことには変わりない。
一行はトルジェを連れてさらに奥へと進んだ。
暗い部屋の中で、異彩を放つものがあった。
本だ。僅かな燐光がページから放たれている。
そこにかがみこむようにして一心不乱に本を覗きこむ人影があった。
エゼル「(時の書……あれがクドラ教の魔術書か)」
イヴァン「そんな本は知らない。アーベル、正気に戻れ!」
アーベル「死者を統べる術によってお前たちを引き裂いてやる!」
ミアト「狂ってる……。イヴァン、話は通じそうにない……」
イヴァン「こうなれば仕方ない。やるしかないな」
イヴァン「(化け物め……)」
ラルフ「スケルトンはともかく、厄介そうなのはアーベル本体と塚のゴーレムか」
ミアト「って、ソニア……何やってるの……」
ソニア「腐っても高名な魔術師なら、金目の物があるんじゃないかと思ってつい」
ミアト「(駄目だこの子……)」
ソニア「どうせならあの本を奪ってやろうと思ったんだけど、がっちり掴んでるから駄目だったよ」
ラルフ「なら、2人でフェイントを仕掛けてる隙に奪っちまうか?」
ミアト「え、ちょっと、ラルフまで……?」
エゼル「いや、アーベルはあの時の書に操られているように見える。
あれさえ奪ってしまえば、戦力を下げられるかもしれない」
ラルフ「なら俺とソニア2人で奴の注意を引く。イヴァン、その間に何とかしろ」
ソニア「こういうことは任せといて!魔術師め、こっちを向け!」
ソニア「あっ、ちょっと!高そうな本なのに!傷がついたらどうするつもり!?」
ラルフ「いくらなんでもあんな危ねえもん売れるわけねえだろ!」
ソニア「いや、癖でつい」
エゼル「とにかく、これで厄介な術は封じたはずだ」
アーベルは死んでもなお時の書に憑りつかれ、死者を操り続けていた。
正気を取り戻したアーベルの霊は自分のしでかしたことを深く悔んでいた。
時の書を燃やし、トルジェを外の世界に連れ出す約束をして、一行は館を出た。
駆けつけた神父にトルジェを預けた。
もし今のトルジェを村人に見られては面倒なことになる。一行は密かに村を出た。
トルジェは途中、丘の上の館が見える場所で振り返り眺めやった。
その感情が閉ざされた瞳に、何が映っていたのだろう。
父が約束した安息の地だろうか、それとも血に塗れた丘だろうか。
シナリオの内容とは関係ありませんが、別記事に後日談SSも書きました。
推奨レベル上限ギリギリのレベルで挑みましたが、ボス戦がほどほどに難しかったです。
ピンチに陥る場面はなかったけど、フェイントカードを2枚揃えるのが何気にめんどくさかった。
せっかくの年上の熟練冒険者NPCだからと初代組と絡ませたネタも書くつもりだったのに
全くそれっぽくならなかった。
イクス達の同期か後輩ぐらいだったらおいしいなって妄想。
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