一次創作、時々版権ネタ。
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推奨レベル5~7
ネタバレなしの感想。
語り文やNPCの喋り方など、独特の空気感に満ち溢れたシナリオです。
私ではこの雰囲気を伝えられないので、実際にやってくださいとしか言えない。
リプレイの意義とは何だったのか。
ふりがなはシナリオ内に入っていたものです。
他にも何度か読めない漢字があって苦労した。分からない漢字はIMEパットで入力してます
ネタバレ、スクショ大量につき注意。
ネタバレなしの感想。
語り文やNPCの喋り方など、独特の空気感に満ち溢れたシナリオです。
私ではこの雰囲気を伝えられないので、実際にやってくださいとしか言えない。
リプレイの意義とは何だったのか。
ふりがなはシナリオ内に入っていたものです。
他にも何度か読めない漢字があって苦労した。分からない漢字はIMEパットで入力してます
ネタバレ、スクショ大量につき注意。
井戸の傍らに立ち、手ずから組んだその水を見ているうちに、
まざまざと記憶がよみがえってきた。
母の腹という繭を破られ、不当に居場所を奪われた一部始終が。
――村人が娘を盗んだかの月より、ひと月。
みどりごであった娘は、一晩で歩きだし、一晩で蛙と話し始め、
一晩で男の目を吸い寄せる肢体へと成長した。
一月も経った今は、月さながら。
初めは村人も恐れおののき、娘を蔵の中へ閉じ込めていた。
殺してしまえという声も聞こえ、処遇を巡って激しく意見が戦わされた。
だがやがて、村にも噂が届き始める。
いわく、北の村が壊滅した。
旅の隊商が、火の手の上がる村と、空にとどろく長い影を見たらしい。
いわく、川辺の村が壊滅した。北の村と全く同じに。
何が起きているのか、村人たちに分からぬはずがなかった。
恐るべき力を持った森の妖魔が、我が子を取り返さんとその行方を探している。
都から調査のため、騎士団が派遣されたとも聞いた。
なにせ魔法と科学をもってして、世界をあまねく支配する国だ。
必ず妖魔を退治してくれよう。
なればそれまで、やはり娘は人質とせねばなるまい。
日暮れまで娘は働き、わずかばかりの山菜の食事を与えられ、蔵に入った。
娘が入ったを確認し、蔵の扉に錠がかけられる。
蔵で過ごす夜は長く、退屈極まりないものだった。
母の胎内にいたころに感じていた、青く静謐な夜とはあまりに異なるそれ。
娘は鎧戸を見やり、故郷を思って息をついた。
伏して待たねばならない。今はまだ。この身が見出されるときまで。
村が運命に絡め取られたは、それから三夜を経てのことであった。
蔵の持ち主たる男――娘にとっては血の繋がる祖父にあたるはずであった――に、
蔵より引きずり出された。
男は嘆き、その間気づかなかった。蔵から連れ出した娘の姿を見失ったことに。
あれぞおのが父。化物と呼称されるあの黒く巨大な影こそが。
母の胎内にいたころよりの記憶を持ち合わせている身として、分からぬはずがなかった。
縦横無尽に村を襲っていたその生き物は、
声ならぬ声で発せられた娘の呼びかけに動きを止めた。
娘は次の瞬間を待った。神話の生き物であるその偉大な姿が、起き直って娘を見出す瞬間を。
――しかし、その瞬間は娘の想うようには訪れなかった。
人々を蟻のようにまつわせたその姿からは、もはや神通力も感ぜられなかった。
娘は失意のうちに立ち去った。
だが、その身に流れる血の半分は、妖魔なりし娘のこと。
失意のまま過ごすことに、甘んじるはずがあろうか?
カライス「皆は平気そうだけれど、ここに来てから時々気分が悪いのも……。
……。夜風にでもあたろう」
アイリーン(……。ひととおり村の中は見て回ったけれど、どこにもいない。
まだ行っていないところといえば、神木がある方角か。
ちょっと村から離れるけど、念のために見に行ってみよう)
突如として虚空から現れたマヒリヤは、嫣然と微笑む。
それでいて、アイリーンの行く手を塞ぐかのような立ち位置だった。
マヒリヤ「とはいえ、嘆くほどのこともなし。死んではおらぬ」
アイリーン「……カライスに何をしたの。
僕の理性がどうにか残っているうちに言うんだね。でなければあなたの命はない」
マヒリヤ「おお、恐ろしい眼光。得物まで抜いて、娘一人にあまりのなさりよう。
もっと優しゅうしてくださいまし」
アイリーン「ふざけないで!」
アイリーン(確かに見た目は若いけど、人じゃないから何十年と生きてるはず……
いや、そもそも見た目だけならマヒリヤとそう変わらないはずじゃ?)
アイリーン「カライスの魔力を何かに利用したというの?」
マヒリヤ「さよう。これが下僕は、噛んだ相手の魔力を吸い、眠りの呪いをかける」
アイリーン(下僕…… ああ、昼間見た蛇か)
マヒリヤ「借りたにすぎぬ。用が済み、私が魔力を解き放てば目が覚めよう」
アイリーン「信用するに足らないし、その必要もない」
マヒリヤ「私に刃向うと?なるほど馴染みの友が如く、戦いとは親しいと見ゆる。
そなたなれば、私の命を摘み取るのもたやすいこと。
だがそれと、私の手がこの首を絞め殺すのはどちらが速いか?考えずともわかろうというもの。
だからこそ、さような怒りに踊らされながらも手を出しかねているのだろう」
マヒリヤ「今に目にすることになる。もはや時間はかからぬ。
幾千の夜をまたいだ、大いなる神の目覚めだ」
そう言い残して、マヒリヤは消え去った。
アイリーン(くっ……今すぐにでも追いかけたいけど、僕1人じゃどうにもできない……。
マヒリヤめ、何を考えてるのか知らないけど、後で見つけたら滅多刺しにしてやる!)
フェリシャ「脈はある。眠り込んでいるみたいに見えるけど――」
アイリーン「あの蛇を何とかしないと駄目なんだろうな。く、遊ばれているようで気に食わない……!」
ルーク「蛇?ねえ、何があったの?」
アイリーン「時間がない。マヒリヤを追う。その道すがら話すよ」
ルーク「マヒリヤ? ああもう、なんだか分からないけど分かった。道すがら聞くよ」
フェリシャ「けど、カライスをここに放っておくわけにはいかないわね……。どこかで安静にさせないと」
アイリーン「タリアに話して、しばらく見ててもらおう。セシル、手を貸して」
一行はすぐ村に戻った。
タリア「マヒリヤ様の行かれそうなところ、ですか。ご神木の山でしょうか。
あの山のふもとに、マヒリヤ様がお住まいの小屋があります」
アイリーン「ありがとう。すぐ戻るから――」
タリア「皆さん、お待ちください。お急ぎなのでしょう。
飼育地からヤタをお連れ下さい。神木へ行くなら、その方が速いので」
ふもとに着くと、タリアの言っていた小屋はすぐに見つかった。
中には地下への階段がある。
――階段を降りていく間に、アイリーンは手早くことの顛末を語った。
仲間の表情がいっそう厳しくなる。
ルーク「そんなことが……。早く村を離れておくべきだったかもしれないね」
アイリーン「マヒリヤが奪った魔力で何をするつもりか分からないけど、ろくでもないことに決まってる」
セシル「カライスにかけられた眠りの呪いは、蛇を殺すなりして解かねえとだが……。
マヒリヤの挙動も気になる……」
地下は一本道になっていた。誰かが頻繁に行き来したような跡が残っている。
奥へと進むと、突然それまでとは明らかに異なる場所に出た。
不思議な空間だった。
冒険者たちには、正体の見当がつかない物体があちこちに見受けられた。
壁からは鈍色の板が張り出し、天井からは四角い箱が釣り下がっている。
だが、淡く鈍く光るそれらのすべてが、未知の素材で出来ていた。
アイリーン「こ……これは、古代文明の遺跡……?」
フェリシャ「今までも、古代文明がどれほど発達していたか
証明するようなものに出会ったことはあるけど……。
こんなのは初めてよ。古代人、いったい……」
エリーゼ「こんな造りなら、何百年の時の流れにも耐えてきたでしょうね。
さすがに場所によっては、老朽しているところもあるけど」
フェリシャ「この遺跡。方角的に、おそらく例の山の中なんじゃないかと思うんだけど……」
エリーゼ「そうでしょうね。……本当に驚いた。ちょっと調べてみましょう」
アイリーン「カライスが見たら、一番喜んだだろうに。カライスなら何かわかることがあるだろうし」
アイリーン「あまり広い施設じゃなさそうだね。何かの調査とか、研究とか……そんな感じかな」
エリーゼ「こっちは通路みたいね。向こうに何か見えるわ。……あれは、機構の兵士の一種かしら」
ルーク「嫌な予感するなぁ……。なんかこう、遺跡でガーゴイル像を見つけちゃったときみたいな」
エリーゼ「ここで行き止まりね。壁に何かの仕掛けがあるけど、押しても反応がないわ。
やっぱりこの遺跡、力を失ってるんじゃないかしら」
フェリシャ「そう……困ったわ。
これを押せば、この部屋の奥に扉が現れるとか、何か道が開けると思ったんだけど」
アイリーン「この遺跡から力が失われてるんなら、何とかそれを取り戻すことは出来ないかな?」
遺跡に力を戻す手がかりがないか、もう一度調べながら入口の大部屋に戻ってきた。
よく見ると、一部の基盤に文字が浮かび上がっている。
アイリーン「これは、古代語だね。よりによって読める人がいない時に……」
エリーゼ「あら、私だって少しは読めるわよ。試してみるわね。
えーと……中央5区……損傷、緊急停止中……」
地図によると、どうやら損傷個所はこの部屋にあるようだ。
すぐに問題の場所を見つけたエリーゼは、さっそく修繕に取り掛かった。
フェリシャ「あの山の中ってことは、神木のすぐ下にいるんだよね?魔力めいたものは感じないの?」
セシル「いや……遺跡が動いてねえのもあるだろうが、これといった力は感じねえ。
かろうじて何かの気配を感じる、程度だ」
エリーゼ「つまり、細かいことは分からないわけ?肝心なところで使えないわね」
セシル「悪かったな。だいたい周囲の調査はてめえの役割だろうが。
それで、修理は終わったのか?」
エリーゼ「当然よ。私に出来ないことがあるはずないでしょ」
エリーゼが言い終わるのと同時に天井から光が投げかけられ、
松明も不要なほど部屋全体が明るくなった。
アイリーン「これが遺跡の本来の姿、か。どういう原理なんだか……」
エリーゼ「興味は尽きないけど、そういう調査は後に続くだろう賢者の塔にでも任せるとして」
フェリシャ「そうね。今は先を急ぎましょう。……通路には、出たくないような気もするけど……」
セシル(無事に帰り着いたら、詳しそうなやつに聞いてみるか)
フェリシャ「やっぱり動いてた!しかも、後ろに大量にいる!」
ルーク「こう狭いと、武器を振るのも難しいな……!正面切って戦うのは厳しそうだよ!」
アイリーン「と、とりあえず逃げよう!こっちだよ!」
セシル「っておい、そっちはさっきの小部屋だろ!?余計狭いじゃねえか!」
機工の兵士に追われる冒険者たちは、迷う間もなく壁の三角形の装置を押し込んだ。
エリーゼ「と、扉が閉まった……。ひとまずは安心ね」
アイリーン「だけど、これを押したらどこかに道が開けると思ったのに。
扉が閉まった以外に変化は……?」
その言葉を言い終わらぬうち、身体に不思議な浮遊感を覚えた。
そして機械的な声が響き渡った。古代語であり、ここにいる者には
正確に聞き取ることができない。
アイリーン「人の気配がないのに声がする……。しかも古代語。何て言ってんだか」
エリーゼ「どこかへ移動するって言ってるみたいだったわ。
この部屋全体が転送装置なのかもしれない」
フェリシャ「それにしても、体がふわふわしない?魔法で移動しているせいかしら」
ルーク「えっ!?なに、エリーゼ、なんて言ってるの?」
エリーゼ「分からない!止まる、落下するっていう単語だけ聞こえた!」
アイリーン「なんで落下?よく分からないけど、早く脱出した方がよさそうだ……!」
エリーゼ「扉にいくつか亀裂があるわ。ルーク、手伝いなさい。深そうなのを探すわよ」
ルーク「わかった。ええと……、これが一番深いかな。短時間で壊せそそうだよ」
アイリーン「そこを壊せばいいんだね。2人とも下がって!」
アイリーン「大きな縦穴が掘られていて、この部屋はそこを上に……たぶん下にも動く。
建物の上下階を行き来するものだよ。
この穴から、さっきのところより上の階に昇ることが出来そう」
娘はさ迷い歩いた。国から国へ、陸から陸へ、海から海へと。
古代文明の栄枯盛衰を横目に見た。海が割れるのを、千年に一度の竜巻を、
翼ある馬と妖魔の軍勢の戦いを見た。
娘が関心を示したのは、封印を解く術。そしておのが寿命を引き延ばす術だった。
娘はマヒリヤ――母親の胎内にいたときに付けられた名だ――と名乗り、
山のふもとに居を構えた。
「御身の目覚めのための準備は整った。
後はそそぐ魔力の質と量、時の積み重ねが物を言う」
5に続きます。
ちなみに盗賊役はエリーゼなんですが、鑑定スキルを持ってるのがルークだけなので
リプレイの掛け合いはこうなりました。
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