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一次創作、時々版権ネタ。
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推奨レベル3~5 バージョン1.60専用

探索シナリオ。ルート分岐あり、マルチエンド。
ストーリーは少々暗めですが、PCNPCの掛け合いはほのぼの寄り。

リドミのあらすじが「雨宿りの夜」のストーリーと似ていたため、
パーティ分断ものと勘違いしてプレイ開始。
2代目1期と3代目でパーティ分断シナリオのリプレイやったから、
他のパーティでもやっておこうと思って……。

スクショ多数、ネタバレ注意。
また今回は文字の比率が非常に高いです。


リューン南東 ペレンニス山脈中腹――
クロード一行はおびただしい亡者の群れに囲まれていた。


アーネスト「さあな。行きは何もいなかったはずだが。ついにクロードにもモテ期が来たか?」
クロード「そんなわけあるか!第一アンデッドにモテても全く嬉しくないからな!?
こんな状況でよくそんな冗談が言えるな!?」
アーネスト「それだけわめく余裕があるならまだ大丈夫だな。
(しかし、残ったのは私達だけか。せめてクロードだけでも逃がせるかと思ったが……)」



クロード「誰か返事をしてくれ!なあ、おい!嘘だろ……!?
また1人になるのは嫌だ……!」



「(こんなところで……死ぬのか…………?
こんなに突然……訳も分からず、襲われて……)」


クロードが目を覚ますと、そこは古い石壁が四方を囲む薄暗い牢の中だった。
室内はひどい黴のにおいと、かすかな腐臭がする。
幸い身体は拘束されておらず、荷物もそのまま残っている。

ルベラ「クロード、やっと起きたか」
クロード「皆も無事か。よかった……!」
ルベラ「状況はあんまりよくねえけどな。あたし達、どうやら捕まったみたいだ」
クロード「捕まった、って……。あのアンデッド達に?
ああもう、何が何だか……。なんで急にこんなことになっちまうんだよ」
ジニア「落ち着けって。ここまでのことをちょっと整理してみよう」

アーネスト「まず依頼人はベリス聖北教会の神父。
依頼内容は、巡礼に訪れる信者たちを襲う山賊の討伐」
クロード「そっちの依頼は無事に済んだけど、まさか帰りにこんな目に遭うとはな……」
ジニア「ベリスはペレンニス山脈の中腹にある地方都市、だったよな?
なんであんな辺鄙な街までわざわざ巡礼なんかに来るんだか」
アーネスト「話をそらすな。ベリスはあの辺り一帯の信仰の中心部だ。
きちんと依頼人の話を……いや、この馬鹿が聞いてるはずがないな」
ジニア「馬鹿は余計だ!」
リンセ「そういえば、あの神父……。
取り返した盗品を返却した時、気落ちしている風に見えたのう」
フィリン「気のせいじゃないの?依頼人からお礼と報酬はもらったわけだし」
ジニア「それなんだけどさ……。その、さっきの騒動で報酬全部落としちまった」
ルベラ「はあぁ!?殴られて閉じ込められた挙句タダ働きかよ!」

ルベラ「さっきのアンデッドは何者なんだ?墓地でもないのにあんなに集まってくるなんて」
リンセ「まず間違いなく、死霊術師が裏で糸をを引いておるのう。
それも、あれだけ大量の死霊を支配できるような力を持った術師の仕業じゃ」
ルベラ「そいつがあたし達をとっ捕まえたと。でも、なんで殺さなかったんだ?」
リンセ「それは分からん。じゃが、閉じ込めて終わりってことはないじゃろう。
そういえば、生きたまま死霊化させる禁断の術もあるという噂じゃ。具体的には」
フィリン「いらないいらない!それ以上言わなくていい!アンデッドになるなんて絶対嫌!」
クロード「(そりゃ、誰だって嫌だろ……)」

リンセ「さて、おおよその現在地じゃが……。まず急襲を受けたのは依頼の帰り。
わしらを運ぶ手間と時間を考えれば、まだペレンニス山中のどこかじゃろう」
クロード「仮にリューンから遠く離れてても、歩くなり馬車を使うなりして帰ればいい。
あの世からじゃなければ、どこからだって帰れる」
ルベラ「ひょっとして、あたし達が先に伸びたの根に持ってんのか?」
クロード「そういうわけじゃないけど……。あんな気分はもう2度としたくないな。
(もう2度と、目の前で大事な誰かが死ぬなんてこと……)」
ルベラ「そうそう、クロードの言うとおりだ。生きてりゃどうにでもなるって」

ジニア「さて……。これからどうする?
一通り部屋を調べてみたが、めぼしいものはこれぐらいしかなかったぞ」



リンセ「……。隅にあるそれは見なかったことにするのじゃ」
ジニア「あ、50sp落ちてる。ラッキー!」
リンセ「ちょっと変わった形の宝箱だと思えば平気じゃ」
クロード「お前らたくましいな……」

フィリン「錠前があるけど、どう?開けられる?」
ジニア「高度な技術がいるが、これぐらい余裕だな。錠前が内側を向いてれば、だけど」
アーネスト「外側を向いているな。出来ないなら最初から素直に無理と言え」
ジニア「だってなんか負けた気が……、!待て、誰か来るぞ!」



クロード「子供の……死体?ゾンビか、それともグール……?」
?「どっちでもないですよ」

明るいところで見ると、青い髪の少女だ。
こちらが冒険者とわかると頼みごとをしてきた。
だが、受けると言うまでは依頼内容を話してくれそうにない。
報酬はこの牢屋の鍵。いずれにせよ、こちらに選択の余地はない。

クロード「仕方ないな。その依頼を受けよう。内容を教えてくれ」
少女「ありがとうございます。実は……」



?「もー疲れたー!あいつってしつこいんだもん。食べられるかと思ったよ」
少女「ありがとう、クロウ。無事で本当によかった」
ジニア「えっグロウ?」
フィリン「クロウでしょ。カラスなんだから」
クロード「いやいや、突っ込みどころはそこじゃないだろ。喋るカラスなんて初めて見たぞ」

少女はデイジー、カラスはクロウと名乗った。
デイジーは牢屋の鍵を外すと、依頼内容について語り始めたが……。

リンセ「教会に行きたいじゃと?おぬしはアンデッドじゃろう?
礼拝堂の扉をくぐったら、その瞬間に昇天すると思うがのう」
デイジー「構いません。私は天の国に来たいんです。
訳あって、私は普通の方法では昇天できません。教会に行けば方法があると思うんです」
フィリン「死霊術師に支配されているのかしら。
それにしては、自我を持って自由に動いているようだけど」



デイジー「私には生前の記憶がありません。
屋敷から出られない原因を見つけて、私をここから出してほしいんです」
クロード「はぁ……。まさか、アンデッドに昇天の手伝いを頼まれるとはな」
デイジー「やっぱり、おかしいですかね。受けるの、嫌になりました……?」
ジニア「正直俺は逃げたい、っ痛ってえな!いきなり殴ることないだろ!?」
アーネスト「貴様は報酬だけ受け取って逃げるつもりか!不真面目にもほどがあるぞ!」
フィリン「ああ、この人たちは気にしないで。ジニアはただの教会嫌いだから」
クロード「俺達は一度受けた依頼を途中で投げ出すような真似はしない。安心してくれ」

クロウ「そういえば、さっき庭でこんなもの拾ったんだけど。デイジーいる?」



クロウ「なんだ、あんたたちのか。拾ってくるんじゃよかった」
ルベラ「やけに突っかかってくるカラスだな。捌いて焼き鳥にするぞ」
クロード「やめろって。いちいち喧嘩を買うな」
デイジー「クロウも、落し物はちゃんと返さなきゃ駄目だよ。
……それでは、皆さん。お屋敷に行きましょう。屋敷の中でゆっくり休めますから」

死霊術師(彼女は博士と呼んでいる)は東棟にある研究室に篭っていてほとんど出てこない。
研究室にさえ近づかなければ問題はないし、また彼の亡霊たちも屋敷内にはほとんどいない。
ただ、少し厄介なのは庭を通る時。
ハーマンという庭師の様子が近頃おかしく、走って逃げなければならないそうだ。

フィリン「まあ、大丈夫でしょ。一般人に追いつかれるほど柔な鍛え方はしてないわ」
デイジー「よかった。じゃあ、外に出ましょう。雨は止んでいるから大丈夫です」




ジニア「……大きいな、ハーマン。身の丈はざっと3メートル、いやもっとあるか」
デイジー「はい、とても。足も速いんですよ」
クロード「誰だよ大丈夫だとかいった奴!」
フィリン「と、とにかく逃げるわよ!」
デイジー「早く玄関の中へ!屋敷までは追ってきません!」

一行は何とか屋敷に逃げ込み、一息ついた。

クロウ「もー疲れた!羽根が痛い!」
ジニア「あ、ちょっと、こら!頭の上に止まるな!」
クロウ「いいじゃないか、けちーっ!」
ルベラ「鳥といえば、グロウはどうしたんだ?」
ジニア「いざって時は避難してるように教えたから、どこかで大人しくしているはずだ。
俺のことは追ってきてるだろうし、どこかで合流できるかと思ったんだが……」
フィリン「これじゃあうかつに外に出られないわね」
デイジー「……前はあんな風じゃなかったんです」



デイジー「この屋敷には、私の他にもここから出られない人達がいます。
皆が彼のようになる前に、早く天国へ行く方法を見つけなくちゃ。
神様に、ハーマンを助けてくださいとお願いしたいんです」
クロード「そうか……。それなら、ぐずぐずしていられないな」
ジニア「(綺麗だった頃の庭かあ。一度見たかったな)」



デイジー「これが地図です。今いるのがここで、『room No.1』が私の部屋です。
毎日ちゃんとお掃除してますから、そこで休めますよ」
クロウ「デイジーみたいなアンデッドなら、他にも3人いるぞ。
あいつらなら屋敷のことも詳しく知ってるかもな」
クロード「まずはデイジーの部屋で休んで、それから他の人達を探そう」


一行はデイジーの部屋に向かい、そこでしばらく休憩を取った。

リンセ「のう皆、デイジーについてどう思う?」
アーネスト「アンデッドと取引するなんてとんでもない、と言いたいところだが。内容が内容だからな」
ルベラ「教会に行きたいっていうのも、本当にあいつの本心なのか?」

クロード「屋敷にいる他のアンデッドについて、詳しいことは分からないか?」
クロウ「フィロ爺はいつも図書館にいるよ。あと、アナンナは食堂あたりだと思うけど……。
ビルはいつも走り回っているから、どこにいるかは分からないや」
クロード「ありがとう。じゃあ、居場所の分かっている奴から当たってみるか」
ルベラ「ええと、こっからいちばん近いのは……。あ、駄目だ。字が読めねえ」
クロード「一番近いのは図書館か。……ルベラ、無事に帰ったらまた勉強のやり直しだな」



図書館に着くと、椅子に座ったしゃれこうべが出迎えた。



デイジー「フィロお爺ちゃん。この人達、お爺ちゃんの言ってた冒険者さんなんだよ」
フィロ「その様子では随分と酷い目に遭うたようじゃ。
館の主に殺されかけたか、庭師に追い回されたか。あるいは鴉の悪態にお困りかね」
クロード「今のところその全部だ」

クロードとデイジーは依頼のことを話した。
屋敷から出る方法を探していること、皆で天へ還りたいこと。
フィロはそれを他の皆にも伝えるよう助言してくれた。
皆に話したらまた戻ってくるように、とも。
他にも、今わかるだけの情報を一行に教えてくれた。



アーネスト「やはり、まだペレンニスの山の中か」
クロード「死霊術師は何者なんだ?あんた達を閉じ込めて、何をたくらんでいる?」
フィロ「わしも詳しくは知らんよ。
ただわしが思うに、あれは枯れぬ花に惑わされたのじゃろう」
クロード「枯れぬ……花?」
フィロ「貴殿らもゆめゆめ忘れるな。枯れぬ花などこの世にあってはならんのじゃ」


クロード「次は食堂か。入口の方だな」


ジニア「な、何の音だ?」
クロード「皆、気をつけろ!何が出てくるかわからないぞ!」


リンセ「何かおるぞ!」
クロード「(近づいてる……!こっちに来る!)」


ルベラ「あー驚いた。もう少しで危なくぶった切るところだったぞ」
クロード「頼むからこんな登場の仕方する奴がいるなら、次からは事前に教えてくれ……」
デイジー「ご、ごめんなさい……。
そうですよね、初めてアナンナさんを見たらちょっと驚きますよね」
クロード「いや、全然ちょっとどころの話じゃないんだけど……」
リンセ「ふむ、彼女がアナンナか。急にすまんかったのう」

アナンナは上半身しかなく、這いずるようにしか移動できないらしい。
クロードとデイジーは、依頼のことを話した。

クロード「アナンナは、何か屋敷の秘密とか脱出する手がかりを知らないか?」
アナンナ「うーん、心当たりか。残念ながら私にもさっぱりね。
でも、脱出するとなると屋敷のご主人がだまってないと思うわ」
リンセ「(屋敷のご主人……例の資料術師じゃな)」
アナンナ「あと、物理的に脱出するには庭を闊歩してるハーマンを何とかしないとねぇ」
クロード「やっぱりそうなるのか……」

ルベラ「アナンナのこと、もっと教えてくれねえか?」
アナンナ「私はもっと北国の出身なの。ベリスには巡礼に来たのよ。
教会務めの友達から、ベリスに面白い聖遺物があるって聞いてね」
フィリン「聖遺物か。それで地方一帯の信仰の中心になってるのね」
アーネスト「依頼人の神父も言っていたな。だが、具体的な内容は非公開のはずだ」
アナンナ「ええ、私も当然見せてもらえなかったんだけどね……」



クロード「枯れない花……?」


ジニア「なあ、次はどこに行くんだ?」
クロード「ビルって人に会いたいんだが……、居場所が分からないからな」
フィリン「ねえ、ちょっといい?実は、フィロさんとアナンナに頼まれごとをしてるのよ」
ジニア「えっ?お前いつの間に……。まあいいけど」
フィリン「フィロさんは聖書を、アナンナは糸を探して届けてほしいって。
どうせ行くあてがないのなら、一緒に探してくれない?」
リンセ「そういうことなら仕方あるまい。探索ついでに届け物も探すぞ」


2に続きます。
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