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一次創作、時々版権ネタ。
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長くなったので分割しました。

ネタバレ抜きの感想:
ホラーシーン怖い。時限式のプレッシャーも怖い。
主人公のキャラ付けが結構ドライな感じで、アイリーンと合ってなかった。
これはこれでとてもかっこいいんだけど、リプレイを書くのに苦労した。
あと、何を基準に配役を決定してるのかが気になった。

ネタバレ、スクショ大量につきご注意ください。

ルーク「……なるほど。幽霊に憑りつかれてたんだ」
アイリーン「ええ。リリィって子は、この家に住んでた女の子みたい。
カライスやセシルも、同じように何かに憑りつかれてたよ。
いったいこの屋敷で何があったんだろう」
ルーク「僕みたいな自動人形にまで憑く幽霊なんて聞いたことないけど……。
あ、扉があったよ!ここから地下室に降りられるんじゃないかな?」

2人は話し合いながら、地下室への扉を探していた。
持っていた鍵で扉を開けると、下へと降りて行った。



アイリーン「地下にこんな綺麗な噴水があるなんて。驚いたわ」
ルーク「礼拝堂だけ石造りだったのは、地下室のためだったんだ。見て、奥にも何かあるみたいだよ」



ルーク「いかにも何かありそうな扉だけど、古代語か。カライスがいたら読んでくれただろうけど」
アイリーン「そうだ、拾った辞典があったはず!解読するからちょっと待って……。
えっと、『我が前のいかなる防碍(ぼうげ)を許さじ』、かな」



ルーク「……あれ?訳が間違ってる?それとも、他にも鍵か何かが必要なのかな?」
アイリーン「訳は合ってるはずだよ。……他には何もないみたいだし、とりあえず上に戻ろう。
さっきリリィにもらった鍵も試してみないと」


3階に上り、リリィに貰った寝室の鍵を使った。



日記は屋敷に住んでいた長男のものらしい。この家で起きた出来事が記されている。
母親の病気のこと、母が亡くなったこと、
父親が書斎にこもりっぱなしで出てこないこと……。
最後のページには日付がなく、こう書かれていた。



ルーク「ここから先はちぎられて読めない。
最後のページは気になるけど、あまり大した情報は得られなかったな」
アイリーン「ルーク、清浄石があったよ。綺麗な水に入れると聖水に変えてくれるの。
地下の噴水になら使えるかな」
ルーク「聖水か。あって困るものでもないし、試してみる?」
アイリーン「そうね、もし実体のない敵にあったら困るし。
あー、でもまた地下まで降りるのか……面倒ね」

3階から長い階段を下りて地下に戻り、噴水に石を投げいれる。
どうやら噴水は石の力で浄化されたようだ。

アイリーン「全くもう、こういうのは隣同士においてくれないかな……。
移動してる間にも、浸食されてる感じが強まってきてる」
ルーク「聖水って言っても、思っていたより強い力は感じないね。
せいぜい、混乱している人を正気に戻すぐらいかな」
アイリーン「聖北の『静心の法』みたいなものね。
……そうだ、これならいけるかもしれない!ちょっと汲んでいくよ!」


地下室を出ると、アイリーンはまっすぐに浴室を目指した。
浴室では相変わらずカライスが意味不明なことを呟いている。

ルーク「わあ、確かにおかしくなってる。というより、錯乱してる?」
アイリーン「お願いだから効きますように!くらえっ!」

カライス『私は……、いっ、妹は?リリィは無事なの!?』
アイリーン「(ちゃんと効いてるのかな) このぬいぐるみの持ち主なら逝ったよ」

ぼろぼろのぬいぐるみを見せると、カライス(?)は一瞬呆けたような顔をして、
力なくその場に座り込んだ。



カライス、もといタチアナの話をまとめるとこうなる。
悲鳴が聞こえて階下に出ると、1月前に亡くなったはずの母親が召使にかみついていた。
それはまるで噛み付くというより、人を食べているように見えた。
タチアナは末っ子のリリィを連れて逃げたが、それ以上の記憶はないそうだ。

ルーク「(9割がた死霊術の類だね。人を食べてるあたり、ゾンビかレムナント化してるけど)」
アイリーン「でも結局、肝心なところは知らないと」
カライス『お役にたてず申し訳ございません』
アイリーン「いいよ、気にしないで。わけのわからない厄介事には慣れてるし。ね、ルーク」




ルークの言葉に安心したのか、タチアナは母親のことと鍵を託して消えていった。

アイリーン「少しだけ前進したと言いたいところだけど、肝心なことは分からずじまいね」
ルーク「カライスが無事に戻ってきたんだからいいんじゃない?
この人の目が覚めたら相談してみよう」




アイリーン「(気のせいかな、なんだか楽しそうに見える)
……何のつもりか知らないけど、あなたが本気で殴ったら怪我しちゃうからやめなさい」
ルーク「わ、わかってるよ。そんなことしないったら。
(自分は思いっきり殴ったくせに……。大人ってずるいなあ)」




アイリーン「よかった、いつものカライスだね」
ルーク「事情は道すがら説明するわ。とにかく今は探索を続けましょう」

カライス「……なるほど。ご迷惑をおかけしました」
アイリーン「いいよ。仲間を助けるのが僕の役目なんだから」
ルーク「それで、カライスはどう思う?」
カライス「とりあえず、今わかっていることをまとめましょうか。
まずこの屋敷に住む姉妹の母親が病気で亡くなり、何らかの方法で蘇った。
おそらく死霊術の類ですが、ゾンビ化したあたり上手くいかなかったようですね」
アイリーン「うん、そこまではわかるよ」
カライス「そして、一連の事件に父親が関わっている可能性が高い。
どういう形で、というのはまだ分かりませんが」
ルーク「父親が?怪しいところなんてなかったよ?」
カライス「書斎にこもりきりだった、という点がどうにも気にかかりまして。
証拠はありませんが、私は父親が死霊術をかけたと考えています」



アイリーン「(万が一、こんなところを幽霊たちに襲われたら厄介ね)」

一行は3階の寝室に向かい、タチアナからもらった鍵で開けた。

アイリーン「(3階にはフェリシャがいたはずだけど。もしかして、この中にいるのかな?)」




フェリシャ『ねえ』
アイリーン「うぇっ!?」
フェリシャ『鍵を持ってきてよ。これを開けて。兄さんがきっと待ってる』

アイリーン「え、な、何?鍵?」
カライス「この箱の鍵ですか。……鍵穴が妙な形をしていますね。」
アイリーン「他の幽霊に比べればまだ話は通じるみたいだけど、
鍵を持ってこないと話してくれそうにないわね。もうちょっと協力してくれてもいいじゃない」
ルーク「2人とも、こんなものが落ちてたよ!」



アイリーン「……はつじょう?」
カライス「ゼンマイ、ですよ。アイリーン、ゼンマイが刺さりそうなものはありませんでした?」
アイリーン「あ、それなら1階にオルゴールがあったはずよ」

さっそく一行はオルゴールの元まで戻り、ゼンマイを挿す。



アイリーン「わあ、いい曲ね。フェリシャが正気なら喜んだでしょうに」
ルーク「うん、館の雰囲気が少し明るくなった気がするよ」



アイリーン「何これ。指輪?なんだか妙に綺麗というか、使用感がないわね」
ルーク「ちょっとよく見せて。……ここ、妙なところに傷がある。
普通ならこんなところに傷なんて付かないよ」
カライス「あの箱には特殊な形の鍵穴がありました。ひょっとしたら、それが鍵もしれませんね」

一行は寝室に戻り、鍵穴に指輪を当ててみた。



ルーク「いかにも、って感じの鍵が出てきたね」
フェリシャ『やっと鍵が開いた。ありがとう。それを持って兄さんに会いに行ってあげて。
兄さんはたった1人で悪魔を倒そうとしてたから』
アイリーン「(なんでこの家の幽霊共は揃いも揃って人を無視して話を先に進めるの……)
僕たちはまだ話の全貌が見えてないんだ。わかるように説明してくれない?」

フェリシャに憑いた幽霊はフェーゴと名乗り、屋敷で起きたことを話してくれた。
父親が亡くなった母親を生き返らせるために悪魔と契約したこと。
母親は化け物になって蘇ったこと。
兄が母親と悪魔を討つために1人で行ってしまったこと。
そして、兄の行く末を知りたくて現世に留まっていたこと。

フェリシャ『悪魔のことは詳しく分からない。
騒ぎが起きてからはずっと隠れていたし、兄さんが言ってただけだから』
アイリーン「やっぱり肝心なところはわからずじまいか。
お兄さんのことは何とかするから、さっさと往生してその体から出ていきなさい」
フェリシャ『……君たちが事をちゃんと解決したら出ていくよ。
外の様子を見に行きたくても、ここから出られないんだ』
アイリーン「なんだって?そんなことしてる時間は……
ううん、わかったわ。大事な人が心配なのは同じだものね。
(どのみち、僕達に拒否権はないのだし。これも人助けか)」



カライス「てっきり父親が術者かと思っていましたが、悪魔と契約していたとはね……。
ですが、それなら母親が化け物になった理由も納得がいきます」
アイリーン「そうはいっても、まだわからないことも多いよ。
エリーゼはまだ見つかってないし、セシルも何かに憑かれたままだよ?」
カライス「2人がどこにいるか、だいたいの見当はついています。
おそらくエリーゼは洋館の長男に憑かれているでしょう。
セシルは……あ、ほら、扉の前まで来ましたよ」

最奥の扉を開け、先に進むとエリーゼがいた。



アイリーン「……え、エリーゼ?」
カライス「今はいつものエリーゼじゃありません、声をかけても無駄ですよ」
アイリーン「それはわかってるけど、あまりにも予想と違ったからつい」
エリーゼ『…………(うなだれる)』
ルーク「あ、もしかして、喋れないのかな?」
エリーゼ『!!(頷く)』
カライス「……これはなかなか面倒ですね」
アイリーン「そういっても仕方ないよ。じゃあ、こちらの質問にイエスノーで答えてくれる?」

引き出せる情報は少なかったが、それでも以下のことがわかった。
エリーゼに憑いているのはやはり長男で、母親と悪魔を討伐しに来たという。
だが倒しきれず、封印だけはしたが今もこの奥にいる。

アイリーン「わかった。僕達が代わりに倒してくる。だから、倒したら仲間を解放して」
ルーク「でも僕達3人の手に負えるかわからないよ?」
カライス「これだけ大人数の人間の体を侵して憑りつく……
いえ、人間以外の体にも侵食して憑りつく力を持ってるんですよ?」
アイリーン「一般人に封印できる程度なら何とかなるでしょ。
それに、こっちだって仲間の無事がかかってるんだから」
ルーク「そうだよね。まだセシルは見つからないし、フェリシャも憑かれたままだもんね」
カライス「そのセシルなんですが……彼はおそらく、」
アイリーン「あ、ちょっと待って。この人が何かくれるって」




エリーゼ『(頷く)』
アイリーン「そういうことなら、僕がもらっておくよ」
カライス「では、行ってきますね」
ルーク「ちゃんと終わらせてくるから、待っててね」



アイリーン「(エリーゼのこんな顔、初めて見たな。いつもは上から目線ばっかりだったから。
さっさとケリをつけて、彼女も元に戻さないとね)」


剣を扉の前にかざすと、ガチャリと重い音が冷たい地下にこだまして
扉がゆっくりと開いた。
重い扉の先は一際広い造りで、中央には祭壇のようなものが置かれていた。




アイリーン「えぇっ、セシル!?なんでこんなところに!?」
カライス「やはり予想通りだったか!気をつけなさい、あいつは父親に憑りつかれている!」
ルーク「(うわ、ただでさえ目つきが悪いのに余計怖い!)」

セシル『ああ、マリア……お腹が空いたのかい……
ならば、私の肉をあげよう……』
ルーク「わー!待って待って!!」
アイリーン「(ちょっとルーク、何を……あっ)」





ルーク「うっかり」
アイリーン「一歩間違えばもっと大惨事になるところだよ!?
……と、とにかく!あの気持ち悪いのが推定悪魔と母親ね」

騒ぎに気がついたのか悪魔がこちらを向いた。

アイリーン「……やっぱり、この気持ち悪い感触はあなたの仕業ってわけ?
そこの化け物ともども、あの世に送ってやる!」



カライス「サポートは私に任せて、2人は攻撃に集中してください!」
ルーク「了解!アイリーン、思いっきりやろう!」
アイリーン「多くの人に迷惑をかけて、仲間まで巻き込んで!罪はしっかり償ってもらうよ!」

ルーク「あれだけのことをやらかしたんだからすごく強いかと思ったのに、3人で十分倒せそうだね!」
カライス「アイリーン、最後はお願いしますよ」
アイリーン「言われなくても!」




あの地下での戦いから数時間後、彼らは陽の下を歩いていた。
あんなにも黒々としていた空は今は抜けるような青空で、
ともすれば、ほんの数時間前のことが
夢だったのではないかと思えるほどに今はすがすがしい。

セシル「そんなことがあったのか」
フェリシャ「まさか自分がそんなことになってたなんてね。全く覚えてないけど」
アイリーン「2人とも気楽でいいものよね。こっちは必死だったっていうのに」
エリーゼ「これでも感謝してるわよ。あなたが仲間でいてくれてよかった、ってね」
カライス「珍しいですね。エリーゼが素直に感謝するなんて、そうそうないですよ」
フェリシャ「わあ、本当ね。また雨でも降るんじゃない?」
ルーク「嫌なこと言わないでよ!あんな目に遭うのは二度とごめんだからね!」
エリーゼ「あなた達、ずいぶん好き勝手言ってくれるじゃない。
無駄口叩いてる暇があったら、今日中に街に着くためにきびきび歩くわよ!」
セシル「ちょっ、てめえだけ先いくなって!待てよ!」



アイリーン「(結局、幽霊達に憑かれたのは何だったんだろう。
彼らの意思なのか、それともあの悪魔の仕業だったのか。今となっては確かめようがないわね)」

アイリーン「……でも皆は助けたし、幽霊達もきっと往生してくれた。それでいいわ」


後日談

セシル「……うおわっ!?何だこれ!?」
フェリシャ「どうしたの?……それ何?見たことない人形ね」
セシル「知らねえ間に荷物袋に入ってたんだ。アイリーンの仕業か?」
フェリシャ「あんまり可愛くないわ。というよりも、なんだか不気味ね」
セシル「魔力じゃねえみたいだけど、嫌な力を感じるんだ。妙なもん持って帰りやがって……。
おい、アイリーン!何なんだよこれ……」
フェリシャ「わわっ、ちょっと!セシルったら!……あー、行っちゃった」

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